第二回の「世界最強の“天才脳”」はスペインのパスサッカーに肉薄。
まずはシャビの驚異の空間認知能力。これによって俯瞰で正確にピッチを把握できるのだそう。他の選手との比較で能力が段違いすぎて凄いです。
日本人選手との比較がありましたが、脳の空間認知能力を司る部分がシャビに対して全く発達しておらず。そういうものが発達するような教育を受けられなかった・工夫ができなかったということでしょう。
昔の合戦などで、ものすごく必要だった能力なんだろうな、と思います。これができる出来ないが戦の巧拙を分けたのでしょう。
日本は俯瞰に独特の文化があって、例えば東京スカイツリーに飾られている鍬形蕙斎の「江戸一目図屏風」の俯瞰のアイディアは中国画にはないもので浮世絵師の蕙斎が開発したのだそう。こうやって順序だてて考えていくと、武家文化とも関連があるのかもしれません。
蕙斎が大名に召し抱えられた異例の浮世絵師だったことは有名ですが、大名の側にも俯瞰重視の考えがあったのだと思います。
まさに「侍ジャパン」を名乗るからには必須の能力といえるでしょう。
そしてそこから生まれるシャビの驚異のパスの戦略の組み立ては前頭葉ではなく大脳基底核でやっているとのこと。羽生さんの映像が出ていましたが、経験の中から直観的に正解を探る将棋に似ているのだそうです。
私も将棋を指す時は大脳基底核のあたりをものすごく使っている実感があったので、長じて脳科学で前頭葉が知性の中心だといわれていると聞いて意外な気がしました。
将棋界は変人が多いといわれています。抑制的な働きをする前頭葉より直観的な大脳基底核が優位な人が多いのではないかと思うんですよね。もちろん特に最近の棋士は品行も優れた人が多いですが。
続いてはそのパスを受けるイニエスタの動きを分析。
ネイマールの華麗なフェイントとは違って、ダブルタッチといういくつかのパターンのものすごく地味な動きで抜いていくのですが、同じ抜き方をする他の選手と違って抜く直前までどのパターンも重心の位置が同じなので、相手は予想がつかずに抜かれてしまうのだとのこと。
動きで外側の余計な筋肉を使っていないので、ぶれない動きが可能なのでしょう。
ネイマールと驚くほどタイプが違って、きっと選手ごとに際立った個性の違いがあるのだろうとは予想していても、本当に全く違うものです。
こういった個性はスペインのカンテラという少年を育成するシステムの中で培われたとのこと。身長が低いスペイン人の戦略を子供のころから徹底的に叩き込んでいるわけで、まさに国そのもののサッカーなのだと感じました。
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