知恵泉の長谷川等伯の回は、織田信長が上杉謙信に送った洛中洛外図屏風を狩野永徳の制作であると断定していましたが、これは最近怪しいとも言われているんですよね。私も実見したのですが、丁寧に描かれてはいるのですが、永徳の画風が見いだせず、感想が浮かんでこなかったのを覚えています。
大徳寺に上がり込んで勝手に襖に絵を描いたのが人生のターニングポイントになっていますけど、これは罪に問われる可能性があるということもなんですが(番組中では死罪もあり得たとの解説)、あれだけ豪華な襖の上から絵を描く、という覚悟も大きかったのではないかと思います。
すでに完成しているようにみえるものの、その上から技を叩きこんでさらに完成させる、という正面突破の姿勢が、なかなか無いものだったのではないでしょうか。
知恩院の障壁画を描いたのは、等伯が仏画が得意で、狩野派にはない菩提を弔うのに適当な画風を持っていたからなんですね。
ゲストの松井証券の人は、自然なものが残り不自然なものは消えていく、彼らはだからいろいろなことをやって抵抗してくる、ということを言っていましたけど、これは老子の無為自然の意味ですよね。理にかなった自然なものだけが残って行くのが自然な摂理です。ただ、国全体でその摂理に逆らって更新が遅れるようなことがあれば、その国は著しく弱体化してしまうことになるでしょう。
大久保利通の回では加来耕三を招いていましたけど、この人はいわゆる歴史修正主義に属する歴史認識を持っている歴史家で、見識があるなら招くべき人間ではないと思います。
「忍たま」の戸部新左ヱ門先生は、作者の尼子騒兵衛先生が作家の戸部新十郎さんを尊敬したところからつけた名前で、史実を大切にしつつ小説を書いているところに感銘を受けたとおっしゃっていたと思います。
私自身も氏の小説は読んでみて、限りある資料を尊重しつつ書いているなという印象を持ちました。
「忍たま」自身も主人公の親が農家であるところをはじめ、リアルなところはリアルで、歴史を大切にしているところがロングランの隠れた秘密でもあるでしょう。
この戸部新十郎には花房牧之介というライバルがいて、こちらもモデルがいるんじゃないか。それはおそらく作者があまり尊敬していない小説家に違いない。体型から言ってもそれは加来耕三なのではないか、と勝手に推理しているのですが、本当はどうかはわかりません。(しかしこのキャラクター、声が山口勝平さんなんですね。高山みなみさんとの絡みは実は貴重なのかもしれません???)
大久保は法を盾に藩閥を無力化しようとした江藤新平を恨んでいた印象が強く、一方で既得権者を守る方向性の性格も持っていたことは見逃せないでしょう。(江藤の子孫が書いた「江藤新平―急進的改革者の悲劇」( (中公新書) 毛利 敏彦 (著) )を読んでの印象ですが。ちなみにこの書にも学会的には否定されているという著者独特の「明治六年政変」に対する見解が書かれているので要注意です。)
それと廃藩置県は断行した側以上に、やはりすんなり受け入れた側が偉いと思うんですよね。
列強の侵略を防ぐために国づくりを急いだ、と最初にやっていましたけど、急がなくても侵略される恐れは実は多くなかったのではないかと思うんですよね。
というわけで、無理をしてみても面白くないので、この回はスキップ。
7月18日の吉田照美さんのラジオではアーサービナードさんはもんじゅについて話していて、直下に破砕帯がある。破砕帯があることはわかっていた、それでも問題なしと言っていた。それを問わなくてはいけない。なぜわかっていたのに作ったのか。一兆円がどぶに捨てられた。とのこと。
また、責任を活断層にな擦り付けている。一万件の点検漏れというのは、日本語としておかしい。すでに破綻していた。死因をごまかしている、とのこと。
核燃料サイクル計画本体に影響をおよぼさないようにするためで、それをやめられないのは、核武装が背景にあるからだろうとのこと。
震災を破綻理由にした安愚楽牧場の詐欺と相似形であるといえるでしょう。
テレビでは、活断層の基準が変わった、と何事もなく放送する時がありますが、何がどう変わったのか。原子力ムラの隠蔽であり、それと一体化したメディアの怠慢なのではなかったか。責任逃れのために議論を曲げることは許されないことです。
中国の天然ガス田の話では、なぜ日本からは掘らないんだ、という話を聞きましたけど、そういわれると不自然ですよね。
原子力ムラはメタハイの採掘を邪魔したりしているそうですが、そのように日本に資源があるとまずいということで、わざと手を抜いている、力を入れて取りにかないのではないか、という説も説得力があるように思います。
ラジオでは公明党の宣伝が流れていて、被災地の仮設住宅に風呂の追いだき機能をつけました、小さいことにも気が付きます。ということですが、このようなことは野党でも可能であり、もっと大きなことに目を向けるのが与党の責任です。
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