6月6日は玉川さんのそもそも総研を始め古賀茂明さんがVTRで登場して、農協の体質の問題を訴える映像が一日のニュースの中で何度か流れましたが、減反を止めると農協が農家から受け取る手数料が減る、競争で集約化されていって兼業農家が減ると農協は保険業などの収入が減るということについて話していました。
まずは、減反をやめると集約化されるというのは本当なのか。おそらく決まった数量。パイを分け合うようなイメージなのでしょうけど、米粉用などに新たに米を作ることができるようになり、パイが必ずしも減るとはいえないと思います。また農協を通さないとその農家のブランドで勝負することが可能になり、これは小規模農家にとって有利に働くでしょう。
最悪経営が苦しくなったとして、兼業農家が果たして土地を手放すのか。栗なり梅なり桑といった所を植えて、農地ということにしておいて、土地は手放さないのではないかと思います。
日本の農家の土地は先祖伝来であったりするところも多く、地域の中のまとまりの中のその家である、という面もあり、帳面上からは把握できない属性をもっています。余りにも平面的に、ステレオタイプに把握し過ぎではないでしょうか。
年寄りばかりになってしかたが無く手放す、ということはあるかもしれませんが、そういう風に地域共同体を解体してしまわない限り、大規模化は容易ではないと思います。
また、大規模化をしても国際競争で勝てるのか、本当に日本が進むべき道なのか、といった面からも、上のような事情からも、日本は小規模のままで丁寧に作っていく方が良いと思います。
農作物を丁寧に育てるDNAを日本農業は本来もっていますので、それを思い出す形で21世紀に生かしていく、というのが一番現実的で強みを生かした生き方だといえます。
農協が財テクに軸足を置いているのことは、本当に農協が農業ではなく金儲けにばかり走っていることの象徴で、止めた方が良いと思います。以前の高野山の投資失敗も思い出させますが、日本全体がそういった方向に流れていることの、一角ともいえるでしょう。また、財テクに走るのは体質的な腐敗があると思います。
農協は何が悪いのかというと、例えば農家の身近なところで言えば、農薬が高い。近所のDIYよりずっと高いそうなんですよね。それでも業務用で運んできてくれる体勢が整っていたりするので農協から買ったりするのですが、その高いお金の分はどこに流れるかというと、ろくに働かない天下りポストに流れるんですよね。
その他にも農家から吸い上げて、そういったところへ流れる仕組みがあって、天下りを根絶すれば農協の腐敗の問題のかなりの部分は解決すると私は考えているのですが、古賀さんは改革を訴える一方でこのことについては話さないんですよね。
こういったところの改革をすれば、財テク重視の体質もかなり改まって、農家の手による農家のための農協に生まれ変わることもできるのではないかと思います。
農家の肌感覚では、農協は農家の方を向いていないというのが実感なのですが、一方で農協は事務に長けていたりするんですよね。そういう作業を請け負ってくれるのはありがたい。地域で戦略的に農業を展開していくためにも、農協の存在は大きく、本当に機能的に農家のほうを向いてやるのであれば、農協の様な役割を果たす組織というのは必要なんですよね。
どうも古賀さんは農協自体が要らないという、粗雑なステレオタイプの認識に陥っている気がするのです。
古賀さんは現状の農協のどこが問題で、何故それが解決できず、TPPに参加すれば解決できるとするのか、具体的に理想の農協像のビジョンと共に示すべきだと思います。
農業ごと農協を潰そうとしているのではないかと思えてならないのです。
ネット右翼的なステレオタイプの非常に甘い認識になっているのではないでしょうか。
ただ、農協については、農業に限らず、TPP反対派にしても賛成派にしても、現状を分析した上で、このようにした方が良い、というような議論が大手メディアのみならずネット上においても極めて低調なのは非常に問題だと思います。
どちらにしても、改革した方が良いとか、このままで良いとか、見識のある人は、そういう意見を表明するべきだと思います。
NHKBSの「きらり!えん旅」では福島の藤沢ダムが地震で決壊した事をやっていましたけど、地震でこのようなことが起こっていたとは知りませんでした。
農業用のダムで修復の工事は今年中に始められる予定で3年後を目処に完成させるそうですが、出足が非常に遅いのではないでしょうか。
復興予算の流用をしている余裕があれば、国土強靭化などと言っている余裕があるのならば、こういった所に予算や人員を集中させて、一気呵成に仕上げてしまうのが本当です。
「浜岡「早い時期に申請したい」 再稼働で中部電社長」(http://www.47news.jp/CN/201306/CN2013060401002084.html)といった動きはまさにカルトととしか言いようが無いでしょう。
頭が悪いのと、原発をしっかり国有化しなかったことの、合わせ技といえます。
4月18日の朝日新聞は衆議院選挙の報道を振り返る特集が組まれています。しかし、原発事故が起こって初めての選挙だったのにもかかわらず、大手メディアが争点として取り上げられず隠されたことは記憶に新しいですが「識者」も含めてそのような指摘は無し。
小沢を有罪であるかのように書きたてた手前、謝って正しい軌道に戻るのではなくて、無視するしかなかったのだと思いますが、余りにも偏向していました。
ただ純粋に政治家の力量としてみれば、いまだに小沢に期待している人が多いのは問題で、維新や自民党を支持するより罪が重いくらいだと思います。震災当時も政権内野党としてやれる事はしませんでしたし、鳩山政権下でも政策に良い影響を与えたということは、無かったといえるでしょう。最近の発言からも特に何の見識をもっていないことが推察できると思うのですが、そういったところをきちんと観て行って、期待を託すべきところに託して欲しいと思います。そういうところがあるのかはともかくとして。
メディアの構造については「電通、国の補助金応募審査の“怪” 自民党選挙対策か…審査過程も非公開」(http://biz-journal.jp/2013/06/post_2261.html)によると電通は自民党の広報戦略を担当しているそうですが、内外からテレビに対する絶大な影響力が指摘されている電通がこのようなことをするのは、利益相反過ぎて開いた口がふさがらないとすらいえます。
最低、倫理としておかしい。放送法などから言っても違法といえるのではないでしょうか。
ここを断ち切らなければ、日本はいつまで経っても浮上できないといえるでしょう。
4月26日の朝日新聞の製薬会社に関するニュースでも「利益相反 認識低い」と見出しが打たれていますが、こういったことやインサイダーなどに対する認識が弱すぎます。原子力関連の談合なども含めて、団子であることの恥じらいがありません。
このニュース自体で言えば、このような役をわざわざ電通にやらせるということは、メディアのトップと会食したことに加え、自民党が電通などのメディアコントロールを重要視していることの表れでしょう。
しかしここまで露骨にやるということは、逆に言えばここが「腐敗の要」であると意識されてきたこと意味しており、そういった認識が広まって、ここさえ突き崩せれば、日本もかなり視界が開けてくるのではないかと思います。
それにはやはり「知識人」といわれる人が、しっかりと指摘しなければなりません。
以前より「知識人」によるメディア批判はありましたが、あの人達は馬鹿だから、で済まされてしまうことが圧倒的だったと思います。
そうではなく構造的な腐敗が存在することが問題であり、上のような認識はかえってそのような問題の本質を覆い隠してしまっていたと思うのです。またそのような形であるからこそ、悪しき共存が可能だったともいえます。
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