オルフ カルミナ・ブラーナ ラトル指揮ベルリンフィル

#その他音楽

「春の訪れ」のリズムの切れ方にラトルの特徴が良く出ていると思います。がしゃがしゃ鳴らしていても、どこか古典的に聴こえます。オルフがモンテヴェルディを研究していたことも関係あるかもしれませんが。
「踊り」も見事です。弦の刻みが特徴的な、反復する音楽ですが、こういうリズムが必要な音楽をやらせると、ラトルは名指揮者です。
「予は大僧正様」「我ら、居酒屋にあっては」は不協和音と不気味なアクセントが交錯する、感情が爆発している場面ですが、切れるけれど軽い音楽で、耳ざわりが良い段階に表現が留まっていると思います。

オルフについてはあんまり知りませんが、この曲には輝かしい音と共に、特殊な感情が込められている様な気がします。前者については最高ですが、後者についてはあんまり表現されていない演奏でした。
良くも悪くも鮮やかで、深くない意味で楽しく聴ける音楽です。

ラトルは「すっきりとしたリズム音楽」を軸に勝負している様な気がします。それが多くの人を呪縛する「何か」になって(であって)くれれば、クラシック業界にとって幸福なことだと思います。

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