モーツァルト初期交響曲集 アーノンクール指揮

モーツァルトの８歳から１２歳までに作った交響曲を集めたものですが、流石と言うより他有りません。既に他の多くの有名作曲家のレベルを大きく凌駕しているように聴こえますし、本人と比較しても中期の作品群より面白いのではないでしょうか。
表情の多彩さは普通の大人の感情、なんていうものより遥かに広く濃密ですし、何より自由に書いているせいか、結構影があったり不思議なメロディが多いのが面白い所です。
アーノンクールの指揮もモーツァルトの初期作品に触れた驚きを音化したような、鮮烈な感じがして非常に良かったです。ただ特徴的なパッセージになるとそこの表情を出すのに固執して、音楽が途切れてしまうのがモーツァルトの音楽の格をやや低からしめていると思います。