たばこと塩の博物館 企画展 風俗画と肉筆浮世絵 前期

#練習用

百円の拝観料の展覧会としては出色の内容でした。(首都圏在住の浮世絵ファンなら)これに行かないのは本当に勿体無い!
塩に纏わる浮世絵は後期展示予定ですので、たばこ関係のものが殆ど全てでした。(所でたばこってひらがなで表記する事が最近昔より多いですかね?)
全体としては煙管→遊女→女の人大変?みたいな物が多くて、男としては微妙な心境になりました。男に纏わり付く女の人たちは、やはり本懐では有りませんよねぇ。前のNHKの憲法スペシャルで女性の権利についての段における日本側の抵抗は天皇に関する箇所と同じ感じだった、とありましたけど、そういう信仰みたいな女性に本分を発揮させない社会を形成持続する思想の根っこを見た思いがしました。間を縫っていくような女性の逞しさも見逃せませんですけど。
加えて色子の図・・・要するに同性愛の売春宿ですけど、こういうのはあんまり時代劇とかに出て来ないと思いますので、新鮮な違和感がありました。いや、時代劇も正確に再現すればいいだけの話なんですけど。今やっている風林火山なんかどんな風になるか楽しみです(放送禁止)

なんといっても最高に良かったのが山崎龍女の「縁台美人喫煙」で泰然として且しなやかな様は非常に惹きつけられました。さらに田村至信の「美人遊猫図」も極めて妖艶で、同じ位良かったです。
「蚊帳美人喫煙図」(作者不明)の最初の方においてあったのは、蚊帳の描き方が上手くて感心しました。
風俗画の良さにもやや目が開かれました。色んな人を描く勢いなのか何なのか、画中に変な事をやっている人間が結構多かったのが面白かったです。明治初期に日本の大道芸が海外で大人気だったと言いますけど、そういうのの一端なのでしょうか。
アイヌ関係は写実的なのは良いのですが、松前藩の圧政下に有ることを知らしめるものなので、やはり見ていて余り気持ちの良いものではないですね。
北川藤麿の「見立六歌仙」は本とか盃とかを被って冠の代わりとしているというもので、ユーモアが有って退廃的なのが良い感じでした。
篤斎の「江戸近郊春秋遊興図屏風」は男の中にやけにリアルな人が居たのが笑いました。描写的にリアルというより何か体臭を感じさせるような、こういう人居るだろうなっていう感じが浮世絵らしい良さです。
「紅毛人の図」(不明)はオランダ人のつぶらな瞳が笑えました。「巨人と小人」(不明)は巨人の僧侶に小人の大衆が奉仕する風刺みたいな感じの絵なんですけど、奉仕する為の小人の木組みが本格的で良く描かれているのと、小人にも役割が人によって色々なのがそれぞれの個性を感じられて面白かったです。
他の常設展示も綺麗だったり時代の空気を感じさせるものが多くて、見所の有るものがとても多かったです。

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