アヴェ・マリアや宗教曲中心に揃えたオムニバスCDです。作曲家演奏者共にかなり豪華です。
あんまり聴かないのですけどヴェルディが思ったより面白く感じました。流石超有名作曲家。
入っていた二曲とも感心しました。ヴェルディはオペラチックな作曲家だと良く言われますけど、それだけで括れない物を感じました。それはそうです、オペラティックだったり雄弁だったりするだけの音楽家なんて掃いて捨てるほど居ますからね。歴史に名を残すには理由が有るはずです。今度纏めてヴェルディの曲でも聴いてみようかしら(吉田秀和風ではなく井上ひさし風、でも有りません(笑))個性の中に抑揚の効いた良い曲です。
モーツァルトのレクイエムのラクリモサは隨分ゆったりした指揮だなと思ったらベームなんですね。ベームは殆ど聴かない指揮者で、遥か彼方昔に聴いたモーツァルトの全集の音楽が結構熾烈だったので意外な所です。ベームのモーツァルトは嘗てのマーラーの指揮したモーツァルトにやや似ているんじゃないか・・・・というのは私のほぼ100%の推測なんですが、それ位の力があったのを覚えています。
ブルックナーは流石としか言いようが有りません。ブルックナーの宗教系の曲は全て名曲といっても過言では有りません(笑)
次のバッハのマタイ受難曲の「我が神よ、憐れみ給え」はリヒターの唸るような音響が凄いです。しかし前にロ短調をミサを聴いたので、その中にもバッハ固有の静謐さを感じ取る事が出来ました。特に始めの辺りの美しさは凄いですね。
次がブラームスのアヴェ・マリアですけど、地に足が着いている感じでバッハと質の隔たりを感じました。極めて謹直なアヴェ・マリアです。
モーツァルトはどれもこれもこの中にあっても別格だと思いました。神聖で楽しい事の極限を行っています。
最後の「主よ、人の望みの喜びよ」とシューベルトのアヴェ・マリアの超有名曲2曲もやっぱり良い曲です。「主よ、人の望みの喜びよ」は勿論宇野功芳先生版も素晴らしいのですが、リヒターにはより宗教的な香りが有ります。シューベルトのアヴェ・マリアはグノーと比べても伸びやかで天国的ですよね。
楽しくて品質の高いCDだったと思います。
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