クレンペラー/ウィーンフィル ベートーヴェン 序曲コリオラン 交響曲第四番 シューベルト未完成 1968年ライヴ録音

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コリオラン序曲というと伸び縮みするフルトヴェングラーの演奏を思い出しますが、クレンペラーは滔々とした独自の世界を作り上げています。どこまでも熱く、どこまでも冷たい演奏です。
第四は最初の一分間でただならない演奏であることが分かります。ムラヴィンスキーをずっと遅くしたような、背筋に来る演奏です。
それにしても第一主題にここまで疾走感が無い演奏は他に有りません(笑)超ぬるま湯演奏のマーク盤でさえここは結構加速するのになぁ。まさに奇演で、VPOが良く指示に従ってくれたなと思います(笑)全曲に亘ってさっぱりとして剛毅な演奏でした。
未完成ですけど、クレンペラーの未完成は私は大好物なんですよね。ワルターの演奏も指揮、芸術のお手本のような良い演奏ですが、その演奏が人の情緒だとしたらクレンペラーの演奏は自然物そのものだと思います。音が自然じねんに持つ奥深さのようなものが示されている様に感じます。
私は基本的にはクレンペラーはウィーンフィルと演奏したものの方が、フィルハーモニア管とのものより好きなんですが、このCDは全体としてはフィルハーニア管との演奏より散漫な印象です。未完成の二楽章なんか最高ですけど、緊張感の点では他盤に一籌を輸するかも知れません。スタジオ録音より緊張感が感じられないライヴ録音、っていうのもこれまたクレンペラーらしくて微笑ましい所ですが(笑)

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