NHKの「知るを楽しむ」のカラヤンの話は面白いですね。天野さんが言っていた事で意見がちょっと違うな(と言うほどでもないですけど)、と思ったのはカラヤンと同じ位の指揮者はこれからも出てくる、と言った所ですね。個性ということで言えば、カラヤンはやっぱり独自の音色を持っていて、似たような人がすぐに出て来る類の人だとは思わないんですよね。いや、あんまり好きじゃないんですけど(笑)
スタジオの美術も良いですよね。カラヤンの写真で埋め尽くされていて、残りは鏡張りというのは、カラヤンのナルシスティックな雰囲気を上手く伝えていると思います。
良い演奏家が催眠術師に例えられることがありますけど、カラヤンでいえばそのナルシスティックな面に共鳴できるか否かが大きな分かれ目です。私は出来ませんが、そういうシカケを作り出す事が出来る指揮者で有るということは評価しています。
カラヤンのナルシシズムといえば、最近「カラヤンはなぜ目を閉じるのか」という本が発売されたとの事で、今度読んでみようと思っています。
この「○○は何故○○なのか?」という本は最近とても多いです。一つでも引っ掛かりを持ってもらうことが、購買意欲に繋がると見てのネーミングだと思います。
私も何冊か読みましたが、中でも面白かったのはひろゆきの「2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?」ですね。題名からして中々面白いですけど、この本の特徴は読み始めて直ぐに表題の答えが書いてある事です。類書では何処を探しても表題の答えが書いて無い様なものも多く、運良く探せても納得の行く答えで無い様なものも多いんですよね。誠実だといえますけど、中身はひろゆき流ののらりくらりとした内容で、その按配が中々面白いです(笑)この本は表題、答えが直ぐに書いてあること、内容、と全て社会のパロディなのかも知れません。
池松さんはコントラバス奏者の人で、ハープの早川りさこさんの伴奏で弾いています。
コントラバスは何故独奏楽器として余り使われないのか、といえば簡単明瞭でやはり音域が低すぎるからだと思います(笑)そういう意味では伴奏の方がハープというのは、妙味のある組み合わせです。高音をフォローして尚且つ、メインを奪っていかない所が良いですよね。
コントラバスがメインのCDというと十年近く前に聴いた、くまんばちの飛行をゴリゴリ弾いていたものが印象深いのですが、あれはなんという人でしたかね。えっと、河原泰則さんですね。コントラバス奏者の方にも色々個性があります。
ピアソラのタンティ・アンニ・プリマが良かったです。池松さんもかなりアグレッシヴに弾いています。最近ピアソラの曲を聴いているとC・クライバーの指揮を思い出すことがあります。表面的には余り似ていませんが、意外性のある角度から音が飛んで来る所に、そこはかとなく共通性を感じます。
池松さんは余り強い表現をされる方ではなく、例えば曲自体が強い表現を要求しているように思えるアルビノーニのアダージョは、中庸的な良さが有りますが、だれている所もあるように思いました。
物足りない所も無くは無いですが、諏訪内晶子のヴァイオリンの様な、内に感興を伴った良さが有る演奏だったと思います。マスカーニのアヴェマリアやキャニオンの明日らへんに、その特徴が良く発揮されていたと思います。
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