日本作曲家選輯 須賀田磯太郎 神奈川フィルハーモニー管弦楽団 小松一彦指揮

#その他音楽

解説が凄いですけど、まずは音楽を聴いてからです。

「交響的序曲」は良質のゲーム音楽(RPGもの)のようです。ちなみに私はゲーム音楽は、物にもよりますが、素晴らしい分野だと思っています。
印象派的な曖昧模糊とした雰囲気の部分と、太鼓が連打されるような強奏が折り重なった構造ですが、繰り返す内にだんだん様相が変わってきます。
後半になるにつれて、ピッコロ(多分)が高音域をぴょろぴょろと高速で上下していたり、急の所のテンションがややおかしくなっていきます(笑)1939年という時代と結びつけるのは、間違っていないでしょう。
動静の切れ目が一つの聴き所の曲だと思うんですが、演奏に関して言えば、静に転ずる瞬間はもっと、ふっと抜いた感じがあっても良いと思いました。

「双龍交遊之舞」は雅楽風な雰囲気を持ちつつも、何か違います。時々顔を出す不思議な旋律は、西洋の近代なのでしょうか。こちらは「信長の○望」に使えそうな部分も有りそうです(笑)
三楽章目の「急」のしめやかなヴァイオリンは結構好きです。

バレエ音楽「生命の律動」は題名から受ける印象どおり溌剌としています。ピッコロのアルペッジョは、分かりやすく命の雰囲気が致します。

「東洋の舞姫」は主題が反復される音楽で、金管が活躍する、演奏効果が高そうな曲です。・・・良いような気も、面白く無い様な気もします(笑)

和風でも洋風でもない、黎明期的な雰囲気を濃く持った作曲家だと思いました。
親しみやすさに加えて、独特の気色悪さも感じられます。聴き始めた当初は、佐藤朝山の天女像が頭に浮かんだんですけど、そこまでは曲々しくは無いですね(笑)
悪くないと思いますけど、ショックを受けるような個性も感じませんでした。

・・・と全て聴いたので、解説を読んでみたのですが、黎明期というよりは大正教養主義の流れなんですね。こんなに掴み所の無い経歴の人を、良く調べ上げられました。いや、良く分からないからこそなのでしょうけど(笑)発掘される作品によっては、もっと色々な面が見られる人なのかもしれませんね。

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