たばこと塩の博物館開館30周年記念特別展 大村次郷ユーラシア写真図鑑<いっぷくの情景>嗜好文化探訪の旅

#その他芸術、アート

明治神宮で昼食を摂って、そのままたばこと塩の博物館に行ってまいりました。
なんと入場料は百円です。相変わらず費用対効果が良い博物館です。
大村次郷さんはNHKのシルクロード特集のお付の写真家をしたり、40年間ユーラシア大陸を撮られているそうです。その成果が一部屋に凝縮していたので、本当で百円で良いのか、と恐縮しました(笑)

写真のみならず各地で集められた品々も展示されていましたが、一番印象に残ったのはイスラームのグラスですね。紅茶に金粉を散らしたような、独特の輝きを放っていて、派手さの中にも文化性を感じました。私はどうやら、イスラーム美術が好きなのではないか、と最近気が付きつつあります(笑)

使用されているバックも展示されていまして、京都の店で買ったと書いてあったのでロゴを見てみたら、やっぱり一澤帆布でした。品質が良いのでしょうねぇ。訪れる各地で直して貰ったそうで、ロマンに加えて、美術的な風格すら帯びていました。唯一無二の誇りが感じられました。

と、ここではたと気が付きました。館内に流れているBGMに聴き覚えがあります。これは・・・・・・世界民族音楽大集成の「インドの民謡」ではないですか!注意深く聴きましたが、同じ曲だというだけではなく、演奏も同じな様です。このCDは世界民族音楽大集成100枚中の白眉ですので、興味のある方は是非聴いてみてください。インド音楽のCDは結構聴きましたが、これより見事なものは今の所知りません。豊かなリズム感に独特の生気に満ちた歌声、良質の録音と適度な洗練といった長所を持ちあわせています。

私はクラシックを指揮芸術の視点から聴き始めるまでは、只管各地の民族音楽のCDを聴いていく、という音楽生活を送っていました(笑)当時は図書館に有る、ただで聴けるCDを適当に聴いていただけという認識でしたが、今になって音楽を聴いていても、やはり好きなのは民族音楽的な要素を濃く持っている指揮者で、嗜好の傾向は続いているようです。宇野先生なんか典型的といえましょう。何気無い行動にはやはりその人の本質が表れているものだな、と思いました(笑)

ぐるぐる回って写真を見ていて気が付いたんですけど、笑顔の写真がそれ程有りませんでした。普通、各地の民族を撮った写真というのは、まず笑顔の輝きが圧倒的だったりするものですが、そういうものは余り有りませんでした。その代わりに茶や煙草に集中する人々の写真が多く、その姿は瞑想的で、心の深い所を映し出しているように思いました。
豊かなバラエティと、その裏の着実な歩みを感じた写真展でした。それに、半分音楽を聴く為、隨分長居をしてしまいました(笑)

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