そのまま東洋館へ行きました。
1階では仏像がたくさん有りましたが、はっきりいってそれ程良くは分かりませんでしたので、ずずぃと斜め移動。瞑想的な表情に見るべき所が有りましたが、ここにあるものは、ちょっと類型的ですかね。北斉で552年に造られた「菩薩立像」は大きな石仏で、威光を備えていました。
2階の中国物はとても充実していました。商の時代の青銅器がたくさんあったんですが、模様は良く分からない神獣だそうで、白川学説の立脚点を体感出来ました(笑)
紀元前五千年の玉とかも、中々綺麗でした。
中国といえば陶磁器です!しかもその享受の歴史の蓄積の長い日本の美術館ですから、どれも素晴しいものでした。
「白磁香炉」が宋の時代らしい純白の香炉で、美しかったです。
明の「紫紅釉水盤」が凄く、紫と緑のグラデーションの醸す質感が、筆舌に尽くし難かったです。あけびが何かの拍子で上手く蕩けたら、あんな感じになるかもしれません(ちょっと無理)
掛け軸も充実していて、謝時臣の「もう川積雨図」が素晴らしかったです。山水画なんですが、雨が降っていて、雲で覆われていて、何がなんだか分からず、その抽象的な迫力といったら有りませんでした。山水から一歩進んだ山水画で、日本の絵師との立脚点の違いを感じました。
作者不明の「竹石小禽図」も竹の葉に勢いがありました。最近、中国の八歳の子供が書いた海老、というものを見たんですが、似たような勢いが有って、中国の絵には勢い重視の伝統があるように思いました。
3階の朝鮮のものでは統一新羅時代・8世紀の「如来立像」が、柔らかな立ち姿が素晴らしく、良い表情の仏像でした。それにしても仏像の感想は記すのに困ります(笑)良い、とか悪い、とかいうものでは、あんまり有りませんからねぇ。
焼き物では高麗時代・12~13世紀の「青磁象嵌梅竹蒲柳水禽文瓶」が重心が高い、微妙に不安定な瓶で、梅竹蒲柳の美しさと共に印象に残りました。
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