日本橋高島屋 東京茶道会創立100周年記念 江戸・東京の茶の湯展

#その他芸術、アート

ちちちちち・・・(鳥の声)
私はいつも新聞のおまけ?のチケットで展覧会に行っているんですが、ある日、いつもは夕刊にくるまれて一緒に届けられているチケットが、抜き身ではらり。
おかしいな、と思いつつも有頂天で中身を改めてみると、なんとチケットの有効期限が明日までなんですよね。なんのこっちゃ。
と、いうわけでスクランブルで行って参りました(笑)

百貨店付属の展示場でしたが、威容ともいうべき展示内容で、面白かったです(笑)
最初にあったのは企画に携わられた茶人の方々の名前だったんですが、「宗」の字が付く名前が圧倒的に多くて、何か謂れがあるのかもしれませんね。

最初の方は小堀遠州のゆかりの品がズラッと並んでいました。茶入れの「煙火」は大理石が有機性を帯びたかのような美しさで、素晴らしかったです。
茶碗や茶入れは実は大好きなんですよね。本物なのか、偽物なのか見分けろ、と言われても自信が無い事が熱狂するのを妨げていたんですが、そこら辺の抑制心も今回で大分緩みました(笑)やはり名品の力は圧倒的です。
「利休尻ふくら」も一点の曇りも無いキャンパスのような黒地に、ざらついた釉薬が絶妙にかかっている具合が素晴らしいです。
「瀬戸茶入 銘・塩谷」も素晴らしい茶入れで、ラスコーの壁画を艶めかしたような、質感がありました。

戦国期の品々がこれだけ雅趣を帯びているのは凄いな、と思ったんですけど、それは日本の伝統であると共に、朝鮮半島の影響が強いみたいですね。釜山産と明記された品もありましたし、どれもこれも東洋に至宝といえましょう(まとめ)

定家の「桜ちるの文」という書があったんですが、龍馬並、というといい過ぎですが、結構ばらばらに書かれているんですよね。玄人を超えた玄人は、こういうのが当然なのかもしれません。そういう中での調和は、絵画っぽい雰囲気を帯びています。

加えて凄かったのが木製品で、唐木の卓が細い二本の柱が優美極まる華奢な造りで、削れる所は削っておこう、といったような日本の引き算の美学も感じました。

お茶の展覧会なので、また、殆どのお客が女性の方でした。独断ですが、とても品の良さそうな人がちらほら居て、文化が好きな女の人は素晴らs(以下略
それにしても、お茶という文化は女性が多い分野なのに、歴史上の茶人は男ばかりで、何か違和感を感じました。社会的な制約もあって、難しいのかもしれませんが、女性の大茶人も出たら良いですねぇ。

「茶杓 銘・龍窟」は虫食いの穴を龍の巣に見立てたという、いわゆる素材に人が合わせた作品で、良い茶杓だし、やはり、発想が宝物だとも思います。茶の湯の真ん中にあるのは、そういう精神の伝統なのかもしれませんね。

「雪月花蒔絵棗」は漆が美しい一品。「胡銅大曽呂利花入」も真っ黒で、すっくとした姿が美しかったです。
近代の品も幾つかありましたが、やっぱり扁平な所がありました。

最後に「礼卓」といって「生活をデザインする文化」としての茶道の展示をしていました。椅子と机とその配置の提案をそれぞれの流派がしているんですが、私は江戸千家の木をそのまま切り出して置いたような、シンプルなテーブル卓に惹かれました。
日本的で且、創造的な空間を提案することが出来る茶道があることによって、帰る所が常にあるという意味で、色々安心して生活できるんだな、という事を感じました。
茶の湯が如何に巨大で重要な文化か、という事を迫力によって実感できた展覧会でした。

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