アジアの民族音楽を詰め込んだCDで、民族音楽の宝石箱やー、といいたくなるような感じです(笑)アジアって何?とよく考えられますけど、このCDの多様さを聴けば、豊かさと共に一筋縄ではいかないことは分かります(^_^;)
「パキスタンのカッワーリー」はアッラーを讃える曲ながらも、インドの民謡から聴こえてくるような、親しみやすさがある曲。
太鼓は奏者の興によるリズムを延々と繰り返し、だんだんと煙が立ち昇ってくるようです。くせになる雰囲気があって、とても楽しい音楽だと思います。
「インドのシタール」は豊かな倍音というのでしょうか、弦のガムランといえそうな楽器です。独奏にふさわしい個性の強さがあります。演奏難度は分かりませんが、凄いテクニックを持った奏者です(多分)
「バリのジュゴク」は竹の打楽器のぽわんぽわんとした音色が素晴らしいです。木星が宇宙にどんと浮かんでいるような、感じがします(笑)
「モンゴルのホーミー」は相変わらず特異な音楽。伴奏の胡弓の音はあっさりしていて、一陣の風に、枯葉の切れ端が乗ってくるような風景が観えます。
「モンゴルのオルティン・ドー」は歌い手の精神の高まりがなかなかな演奏。チョモランマの上で歌っているような、凄く高いところから響いてくる歌です。
「中国の胡弓(二胡)」は宮廷の音楽ですが、なんとなくうら寂しく、椰子の実ひとつ~とか言いたくなります(笑)輪郭がしっかりした、山水画を音楽で表現しているような雰囲気があります。
「アリラン」はどことなく投げやりで、酔っ払いが山を登っていくような雰囲気があります(笑)聲明の雰囲気もあるかもしれません。
「津軽新じょんがら節」は秩序だった中に気迫がはみ出る演奏。
「沖縄しまうた/白雲節」は林昌さんの、声が良く出ているな、と思わせる発声が凄いです。ルイ・アームストロング並に特異な声です。
鳥のように自由になりたいと歌うおおらかさに、厳しさが入り混じります。発掘された黒楽茶碗のような感じがします。沖縄文化圏はユニークですよねぇ。
「インドネシアのクロンチョン」はハワイアン風の、バニラの匂いがするキャンドルのような曲。
民族音楽の楽しいところを上手く取った、同好の士以外にも勧められそうな楽しいアルバムです(^_^)
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