下のロビーには故宮から出張してきた売店コーナーがあって、今回は来ていない故宮にあるリアル千手観音図の複製が。いろいろな手段で衆生を救う姿を描いたのが千手観音ですが、ただ尊崇するのではなく、観る人が人の役に立つ段になってこのことを思い出して智慧と慈悲をひねるようになるように自然に感化するのが仏教文化の哲学的な奥深さです。
その手段を示す持ち物を沢山持っているのですが、何か変なものは持っていないかな、と探してみると、盆栽っぽいのはありましたね。
「特集 伊能忠敬の日本図」では今回は主に中図が出品されていましたが、壱岐や小笠原列島など島まで克明に描かれているのが印象的。
小図では町の構造や習俗までわかるのだそう。流石は江戸時代の代表的な偉人の業績です。
近代絵画のコーナーでは暁斎、是真、芳崖の絵の良作が展示中。中でも是真の瀧は漆の大家らしい質感で切り取った瀧の生動のさまが出色です。
その横の大観のも滋味と嫋やかさがある良い作品。
西洋画のコーナーでは遠近法や陰影法の吸収について、西洋に認めてもらうためだと説明。単なる進歩としていたようなかつてとはかなり変わってきたのではないでしょうか。
一方の故宮の展覧会では、写実ではなく自身の心を絵に反映させるのが大きな革命だった、と文人画について説明されていたので、そうった意味でもバランスが取れたといえるでしょう。
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