9月5日大竹まこと ゴールデンラジオ! ゲスト金子勝(慶應義塾大学経済学部教授)

#その他文化活動

5日の大竹まことさんのラジオのゲストは金子勝さん。

最初はここにきてメディアで推されている谷垣批判。

民主党政権時の党首であった時と同じ立場。昔の自民党ですよといった選挙向けの飾りである、とのこと。

私が観ていても、党首時代もろくなことを言っていませんでしたし、自民党の一連の政策の責任者の一人でもあります。

今週の久米さんのラジオではゲストの学者氏が首相にしたいと褒めちぎっていて気持ち悪かったのですが、久米さんもそう思っているのか、あくまでキャスターとして話を聞いているだけという立場から出ないのかわかりませんけど、何とかしてほしいもの。

続いては女性閣僚批判。

前に私が話した感じの人

404 NOT FOUND | 社会通鑑~See through the media&society~

を寄せ集めた感じで、社会の固陋な岩盤としては最終的にはこういった人たちが固いのだろうなと以前から感じています。

とんでもないのばかりで、TBSは小渕優子がかつて所属していたのを誇っていますが、コネが濃厚でしょう。TBSに関わらずコネに関する調査委員会を立ち上げて報告して自浄する義務があるのではないか。

全閣僚を撫で斬りする中で金子さんは特別扱いで「リベラルの野田聖子」。とか言っていますけど、これも素っ頓狂な人間です。看板に騙されているのではないか。

野田聖子の子供は障碍を持っていて、これを看板にした選挙で一部のリベラルの人に受けが良いですが、野田聖子の息子さんの障碍は本当に重度で本来なら政治なんて全くできないくらいなんですよね。特別に病院に置いてもらっているのか、物凄いお金をかけて看てもらっているのか、どのような体制をとっているかはわかりませんけど、そうであれば、そのような子供を抱えている人間でも働けるような環境整備をするべきではないだろうか。

そのような動きは何もない。内実は自民党の政策を実行するだけの安倍的右翼なのです。

それは民主党的リベラルの親戚ともいえます。

8日の報ステの冒頭は「テニスの全米オープン準決勝」で、上下関係が厳しい日本ではなくアメリカに来たからこそ彼は成功したのだ、というアメリカの新聞の記事を紹介。

私は本来の日本型の人間関係は上手く回ればかなり合理的だと考えていますが、現状だとこのように言われてしまう部分もあるでしょう。

しかし、アジアを専制の国に見立てる欧米お得意の、「マニフェスト・デスティニー」以来の偏見の文脈であるのも確かです。それは歴史学的に虚偽であることが明らかになっています。アメリカ国内からそういう指摘が出てくると良いですよね。

「幕末維新懐古談」((岩波文庫) 高村 光雲 (著))はいろいろ面白いことが描かれていて、かつての日本の徒弟制や縦社会における育成システムが健全に機能をしていたころの雰囲気を知ることができます。またそれが劣化して行って後進を押さえつけるようなシステムになっていくさまも窺い知ることができす。

徒弟制を含む日本の縦社会は上位にいるものが汚職であるとか、権力を乱用して下位のものを理不尽な状況に置くといったことをしなければ、かなりすぐれたシステムなんですよね。

ただ現代は東洋の理念を捨て去っているので、上位のものが理不尽極まる行いをするわけです。

車の片輪が脱落しているわけで、もう一度車輪を補い直すか、全く違う仕組み地付け替えるかでしょう。どちらにしても倫理的にこれだとどうしようもないので、車輪を入れ直しつつ、他では全く違った発想でやってみるとか、基本的な態度を正した上で、あらゆる組織を立ててゆく必要があります。

この本を読むと分かりますが(青空文庫でも読めます)今の徒弟制(縦社会)とかつての徒弟制は全く似て非なるものだったことがわかります。議論の中に縦社会そのものの変質、ということを織り込まないと、本質を外すことになります。

STAP騒動でも内部の情報が出てこないことが問題で、その原因として、金子勝さんなどによって、日本の徒弟制的なシステムの弊害が指摘されています。

しかし、理研の抜擢は異例で、日本の科学界の伝統的な文脈からむしろ外れたものだったのではないかという疑問があります。

また、日本の戦前の基礎科学の力は実は非常に高かったことが知られていますが、恐らく当時の方がより徒弟制的だったでしょう。

現代の海外でも徒弟制的な関係はありますし、もしかしたら日本では想像を絶するくらい理不尽な縦の関係や、それで実験の成果がだれに帰されるのか、といった問題も日常的に聞きます。どの程度日本独特の仕組みなのかという問題もある。

また同時に日本にも以前Hondaの話しで指摘したような、フラットな組織の伝統もあります。
https://iroironakizi.work/2011/02/26/51504678/

https://shakaitsuugan.work/2012/08/04/52904658/
https://shakaitsuugan.work/2013/09/17/53756399/

歴史を正しく認識しない、安易な縦社会の否定こそ、グローバリズムそのものといえます。それで安直にフラットな組織にしてもうまくいきません。

サンデーモーニングの「風をよむ」はイスラム国。田中秀征氏が言っていた、民族問題の皮を被っているが本質は貧困問題、というのは正しいのだと思います。ある程度全体が裕福なところは民族が宥和する傾向がありますからね。
対して岸井氏は民族による差別も要因の一つとして指摘。

結局アダム・スミス(氏の理論の可否善悪は別として)が批判した、共に栄えるのではなく相対的な優位を重視した「重商主義の体系」を欧米全体(もしくはその一部)で、それ以外の国に対して展開しているのが問題の核心なのではないか。

(ウィキペディアの「重商主義」の「重金主義」の項目では「交易の成立しない異文明との遭遇掠奪と破壊の対象となった」って、最初から交易を試みようとしなかったのは明らかです。何を言っているのか。)

田中優子さんは欧米からの参加にはアメリカが報われる社会じゃなくなったのが大きい、特にイラク戦争以降はそうだ。ということをいっていましたけど、アメリカンドリームが昔からあったというのも怪しい。労働者を労働に駆り立てるための極小の一部を取り上げた作り話、ともいわれています。戦国大名が農民に架空の出世物語を吹き込んで戦わせようとしたのと近似しています。そのような虚偽が看破され始めた感じなのではないでしょうか。アメリカンドリームが本当にあったのはせいぜい略奪を繰り返した西部開拓時代ではないか。

そもそも死刑執行役のイギリス人などは、本当に恵まれていなかったんですかね?アメリカの貧困問題やイギリスの階級社会は外側から見ても非常に歪ではありますが。

関連する情報としては、8日の大竹まことさんのラジオでは、ヨーロッパでは格差が拡大し続け第一次世界大戦直前に近づいているという警告を紹介。

格差拡大は経済成長を妨げる。戦争か大恐慌で資本が一気に潰れたとき以外、汗水たらして得るお金より、土地転がしとかをして増やしたお金の方が多きいとのこと。利ざやで儲けた方がお金持ちになる社会になっているという指摘。

最近個人的にイギリス史づきましたけど、そこではやはり福祉を重視したエリザベス朝やチャーチルですね。格差縮小を図った国が一番強い、というのが一目瞭然の教訓ではないでしょうか。

サンデーモーニングに戻って、ハリス鈴木絵美氏は難しい問題としつつ、報道ではイスラム国の行政組織の部分が取り上げられていない、といっていましたけど、行政組織については各局そこそこ驚きの目で取り上げているように思います。

中西哲生さんは従来の価値観の殻を破って個々の教育から見直さなければいけない、ということをいっていましたけど、これは本当にその通りで大切な視点。新しい世代のスポーツの論客ですから、いわゆる身体性を基軸に据えたような教育観が根底にあるのは、明らかなのだと思います。

サンデーモーニングでは「池上彰さんの連載について おわびし、説明します」(http://www.asahi.com/articles/ASG956K76G95ULZU019.html)を取り上げ、岸井氏が朝日は謝罪会見を開くべきだと主張。

これが他の誤報と比べてどれほど重いか、というと大して変わらないか、健康被害が無いだけspeedi隠しや種々のサボタージュより軽いといえます。

もちろんまともな社会なら謝罪会見を開きますが、そうであれば他のメディアは震災後だけでも何百回開いても足りないでしょう。

岸井氏所属の、TBSなどまさに何百回謝罪会見を開いても足りないと思います。

あと大きな問題は、岸井氏本人のこの問題全体への意見が表明されていないということ。とにかく意見が無いのがこの人の一番の特徴です。それが一番保身に有効なんですよね。テレビメディアに特化してしまった「ジャーナリスト」の姿なのだと思います。

本質は自民党的保守で、表面は雰囲気偽装リベラル、という人のわかりやすい筆頭です。

8日のとべさるでは山口二郎さんの「木を見て森を見ずだ」という記事を紹介。もう一歩進めて、森を見ると自己欺瞞が明らかになるので、頑張って木だけをみようとしている試みが今回の騒ぎだといえます。

ネトウヨと安倍ネトウヨ内閣の敗北は河野談話を破棄できない時点で決まっています。(それ以前の問題でこういういい方もおかしいですが)

直接言えないから国内でいじめ対象を見つけてそれでポーズだけ演出する。それに嬉々として喜ぶメディアと国民と池上彰。

私が知っているだけでもtppや原発や靖国の解説で間違ったことを言っていても何も訂正しない。厚顔無恥とはこの人のことです。

朝日の記事は問題ばかりですが、そういったものは指摘しないで「ネトウヨ内閣」下での、政府に覚えのめでたい内容ばかりを書くんですよね。

もう一つ重要だと思うのは、この文章に池上さん自身のこの問題全体への意見が書かれていないということ。意見が無いのか、都合のよいポジション取りではないでしょうか。

当初はリベラル層に広く受け入れられていた池上さんですが、私が当初から持っていたような疑問がだんだん共有されるようになってきたのではないでしょうか。

現実を直視して、やはり泣きながら謝って、身近な親切から始めてもらいたいと思います。

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