ぐるっとイギリス3500キロ (前編)「王国つなぐ貴族の心」

「ぐるっとイギリス3500キロ」では最初に産業革命の象徴の運河を紹介。琵琶湖疏水などのモデルなのでしょうね。

ナローボートのゆったりした感じはまさに貴族的な意味でイギリス的。

ロンドンは他の町よりカメラに対してざわつく感じで、少しすれているんですかね?

次はクック船長の足跡を紹介。

町の人は「彼のころから実力で出世できるようになったんだ」と大英帝国の登用の柔軟さを讃えていますが、当時は「実力」の内容がかなりおかしな時代でもあります。

つぎは漁業関係者巡り。野村さんは「国で漁師さんを支える団体を作っているんだな」という感想。日本はあれだけ伝統のある漁業の国なのに、全く育成していく気配がありません。国全体で本来の伝統を嫌っていることと無関係ではないと思います。

次はスコットランドで、結構辺境性が出てくる感じ。伝統を守る名門の一族である、トラクエアハウスのキャサリンさんは本当にほれぼれするほど品が良い人ですね。

続いては島の漁師を訪ね、最後は野村佑香さんがイギリスの階級社会と地域社会と個人主義の関連に触れておしまい。

その3つがどのように関連するのかということは具体的にはあまり話されませんでしたが。

イギリスの階級は地域や職分に根ざしたもので、マイルドなインドのカーストのようなものなんだと思う。実質、カースト制はイギリスがインドを占領するようになってから始まったといわれていますが、そういう職分や地域で分けてしまうイギリス的な思考がカースト制をもたらしたのかもしれません。

ただ、その人たちは、地域や職分というものにしっかり根ざしているから、その範囲で自立心がある。それが地域主義的になっているのだと思います。

また、貴族社会が残っている反面の貴族の個人主義というのがあるのだと思います。トラクエアハウスの人たちの自立して伝統を繋いでいくんだぞといった雰囲気は、やっぱり独特でしたからね。

勝海舟が、武士にいまだに禄を与えていたら、その人たちは精神性に拠らざるを得なくなるだろう、ということを言っていましたが、そういうのの生きている例がイギリス貴族なのだと思います。

そういう意味で言えばやはりお金と個人主義というののつながりもみえます。

またそうしたカースト的な身分社会の中で、おそらく中央と地方の関係もある。今回のスコットランドの独立運動も、きっと根底にこのことが強くあるのでしょう。

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