出光美術館 酒井抱一生誕250年 琳派芸術 ―光悦・宗達から江戸琳派― 第1部<煌めく金の世界>

#その他芸術、アート

行って参りました。
この日はかなり人が多く、しかも結構静かだった様な気がします。若い人も結構多かったです。

「蓮下絵百人一首和歌巻断簡」はやっぱりいつ観ても素晴らしいです。このぬめり気のある墨線に、時代を代表する息吹きがあるような気がします。

「萩薄下絵和歌書扇面」の解説によると、宗達が提案する下絵はかなり斬新なものであった、らしく、「龍虎図」も、伝統を換骨奪胎して自由な発想で描いたとのこと。

「龍虎図」は仙厓さんに繋がるようなかわいらしいもので、たぶんこういうのは宗達らへんからはじまったのでしょう。今となっては伝統にしかみえないのですが、現代も伝統を換骨奪胎して良い物を残して、文化を豊かに出来たら良いですねぇ。

「蹴鞠布袋図」は蹴鞠という俗な遊びを聖なる布袋がやっている、伝統から外れた画題なのだそうですが、馴染んでいて気が付きませんでした(笑)

「扇面散貼付屏風」は同趣の工房作品の手本にあたるものだとのことで、痛みが激しいのですが、風を孕んだような扇面のぽとぽととした感じが雅です。

「伊年」印の一連の作品は、宗達作どうか微妙なのだそうですが「四季草花図屏風」は整然かつ豪放。筆致がやたら優れていて、抱一工房の其一のような絵師がいたのだと思います。
「四季草花図貼付屏風」は工房の三代目の人が描いたらしく、宗達の模倣作っぽい感じもしますかね?!

伝光琳の「紅白梅図屏風」はうねる梅の生命力と雅趣が素晴らしいです。地面との境に四角い金箔の形で、そのまま散らしてあるのも面白いです。
「太公望図屏風」は足裏を掻く太公望の余裕の姿に、中国の文化の理想、その日本への影響が感じられます。

「禊図屏風」は在原業平の恋愛癖を直す為にお祓いする図で、この前其一が描いたものもみましたけど、平和な話です。(もちろん貴族層のみですが)

鈴木其一の「雑画巻」は墨のみの筆捌きが至妙で、これは半分くらいは書の一種ですね。

出光美術館の乾山のコレクションは凄まじいレヴェルで「銹絵竹図角皿」は光琳の竹がしなやかで含蓄があって、相変わらずお見事。「色絵龍田川文透彫反鉢」「銹絵染付金銀白彩松波文蓋物」「鹿蒔絵硯箱」といったところは流麗で、柿渋のようだったりする色が時に渋く、琳派の粋といえましょう。「色絵阿蘭陀写花卉文八角向付」の異国情緒も薫り高かったです。

乾山は掛け軸も幾つか出されていて、字は丸くくねっていて太さが一定な感じでぽてっとしています。

茶室では仙厓さんの脱力系絵画「三福神画賛」が部屋のバランスを良く整えていました。
古陶磁室も入れ替えたようで、朝鮮古陶磁、江戸時代の焼き物、デルフト窯と揃っていて、どれも極めて味がありました。

いや、良い絵を沢山ありがとうございました。

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