(寄稿)日本の歴史と衆院選 作家・冲方丁

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「(寄稿)日本の歴史と衆院選 作家・冲方丁」(http://www.asahi.com/articles/DA3S11525148.html)では「日本は応仁の乱以降のほとんどの時代で、軍事政権しか経験していないということだ」と日本人の支配者層に文句を言わない国民性を説明。

しかし、冲方さんが「江戸の理系力」で指摘しているように、武家政権と言っても江戸時代は緩いものです。むしろ戦争を繰り返していたのは西洋諸国なのです。

日本の「支配層」に対して「黙る」風潮は、明治以来の天皇制・軍隊の導入に起因するものであって、ここの認識を正しくしなければ日本はいつまでも良くなりません。内側から出てくる自律的な民主主義がいつまでたっても育たないからです。

江戸期は農民の武士に対する主張はかなり激しかったという研究があります。一揆や輿論政治を軽視すべきではないと私は考えます。地方分権的でもあります。

こういう近世と近代の連続性を主張し、現代の負を押し付ける史観の問題は、まずは間違っていること。

それによって正しい反省が出来なくなること。

もう一つは、戦後どんどん発言をしにくい社会を作ってきたのに、歴史的な連続性をでっちあげることによって、その部分への反省がなされなくなることです。

しかし本当に昔から、日本の「知識人」はこの同じ歴史観を自分の意見であるかのように繰り返して倦むところがありません。やっぱり丸山眞男あたりがルーツなのでしょうね。

文中、海外からの労働力の確保という言葉が頻出しますが、少子化対策や将来世代に対する大きなデメリットに触れないのはどうしたわけでしょう。

この稿が書かれた時は起こる前ですが、パリのテロも移民問題とそれによる格差の問題が核心だとも言われています。

同じく、富裕層の海外への流出云々も、富裕層に国際協調で課税していくことを勧めるというようなものではないのでしょうね。

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