はギリシャ神話の旅なはずなのにアテネもオリュンポス山も他の主要な観光ルートも出てこないマニアックな作品。
オーソドックスな「神話の国の女神たちを求めて」と併せてみるとバランスの良い作品。
ヒッタイトの神話からの影響の大きさを強調し、その痕跡をたどりに。
いくつかの本を読んでいると欧米ではこのことを過小評価していると指摘するものがあったので、あちらでも神話の最前線のトピックスなのでしょう。
ほとんどそのままの所も多く、神々が喧嘩してばかりなのは中東の角逐の激しさも反映しているのだと思います。
ギリシャ神話の担い手を「エウボイア人」と呼んでいるのも特徴的で、ギリシャ人と呼ぶといつの時代にその地域に住んでいた人たちなのか判然としなくなってしまうのでしょう。
オリュンポスの神々と戦った巨人たちは、古代生物の巨大な化石が出てくる地帯から発想されたのだろうとのこと。
最後は巨人は負けて地下に封じ込められてしまいますが、実際に地下に大きな空洞がある地形もあるのだそうです。
神話はすべて着想のもとがある、という解説。
アポロンの太陽の車のエピソードとか、薄い話だな~と概略を聞いて思っていたんですが、詳しく書いてあるものを読むと、ああ、これは災害の記録なんだな、と民族の記録としての迫力を感じました。
他のものもこういう感じなんでしょうね。
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