舞台「No.9-不滅の旋律-」10月13日14時の部 その2

(ちょっと褒めていなかったり冗長な部分は反転しています。)

稲垣くんは嫌いではないんですけど、ベートーヴェンは正直ミスキャストでは。

その個性の中で熱演していますし、台詞が圧倒的に多く、立ち回りもたくさんあって、それを覚えて役を消化したのは素晴らしいですけど、やはり迫力不足の感が否めません。

特に台詞のない間は身体からベートーヴェン的な迫力が感じられず、間が保っていなかったです。

線の細い人が野太い声を頑張って出しているので、筋肉あたるの様なコメディ調の不自然な響きなってしまっているのもかわいそう。

むしろ大島さんがベートーヴェンをやった方が合っていたりして、、、。

ヨゼフィーヌとのラヴシーンがくねくねしていていやらしかったのは流石ですけど、とりわけ第一幕は良いところが無く、大島さんが出ていないと暇でした。周囲からは幕間に「寝ていた」という感想も。

特に大島さんを後ろから、前から、前から抱きしめるシーンがあったのは絶許といえるでしょう。

葬送行進曲で始まる第2幕の冒頭は、ロシアでの戦いに敗れナポレオンが頽勢になったことを、肖像画を斧で打ち壊すことで示す象徴的なシーンから。

これは壊しているんですけど、あらかじめ壊れていて、斧を振っている方は壊す真似。お金はかかりますけど、ぜひ毎回実際に破壊する演出にしてほしかったですね!

群衆を出して社会とリンクさせるのは白井晃氏の演出の得意技。革命の盛んな時を第1幕に、退潮期を第2幕に据えてベートーヴェンの時代性・社会性をあぶりだします。

これはナポレオンが焦土作戦に引っかからなければどうなっていたんだろうと思いますよね~。

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