はアキラさんが運命の第一楽章を解説。
有名な4連打は最後に音が下がるのがみそで、これを聴いている人の成績が下がるんじゃないかとか給料が下がるんじゃないかとかそういう感情がオーバーラップされるように作られているというような話。
しかも、フレーズ自体は下がるのですが、どんどんその音階は上がっていって恐怖でテンションがどんどん上がっていきます。
さらには加速して、深刻度を増していきます。
上がったり下がったりするところでは、夢見心地な感じで、ほとんど夢遊病的だなと思いました。
ベートーヴェンの極限的な精神状態がひしひしと伝わってきましたよ!これはなかなか大変です。
今回は分析されませんでしたけど、この極限的なマイナスの状態を第4楽章で勝利の凱歌に変えます。
また、マイナスの状況を不協和音では表さないのにも、もちろん時代的な制約ですが、重みは背負ってもそれに決して屈しないベートーヴェンの精神を感じました。
曲の話をすると音程の上下の話が多いのは池辺晋一郎さんと同じで、「上がるから下がる」「自然の摂理」といったフレーズを多用するところも同じです。まさに作曲家的な視点で切り取られた運命の解説だったといえるでしょう。
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