これまた荘重ながらやや伸びやかさを欠く序曲から始まった第2幕。
「「神よ、ここは暗い」Gott! Welch Dunkel hier!―「人生の春の日に」In des Lebens Frühlingstagen」(題名はWikipediaから引用)のクラウス・フロリアン・フォークトは透き通った声。「心に響く」感じが出ています。
「「良い世界であなたは報われるだろう」Euch werde Lohn in bessern Welten」でのヨン・グァンチョルとアニヤ・カンペの二重奏も無理のない発声でとても美しかったです。押さえきれない恋心の表現が秀逸。
「「彼を殺せ! しかし、その前に彼に知らせてやる」Er sterbe! Doch er soll erst wissen」は悪役大活躍の瞬間ですが、音楽は重苦しさをまといながらも輝かしく楽しいもの。オペラは結構そういうところがありますよね。
牢屋から救い出して大団円の場面では「神の裁きは正しい」「神の試練」といった言葉が出てきて、全幕やはり神の存在感が大きい作品でもあります。
「「良い妻を娶った者は」Wer ein holdes Weib errungen」はベートーヴェンらしいこれでもかというしつこい歓喜。ベタともいえる物語にこの音楽は野人ベートーヴェンの真骨頂でしょう。
バレンボイムの指揮も劇中はしっかり流れていて気になりませんでした。
現代的な演出は適度、正統派の良い公演だったと思います!
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