アマデウス室内オーケストラ ポーランド 知られざる巨匠たちの音楽

音楽

衛星での放送の、後半だけ観ました。
指揮のアグニエシュカ・ドゥチマルが祖国の作曲家に対する愛に溢れた、情熱的な人で、どれも相当の名演だと思います。なるたけ客観的に観て、女性指揮者は男性指揮者に比べると、圧倒的に良い演奏をする割合が高いと思います。ドゥチマルもそんな中の一つの星(元祖?)のようです。

キラーの「オラヴァ」は同一主題が繰り返される曲ですが、一つ一つのその主題の弾き方が強い、しゃっきりとしたもので、曲の印象を一新されました。前に聴いたCDはもっと繰り返しが機械的で、魅力がその分だけ薄かったんですよね。

カルウォヴィチの「弦楽オーケストラのためのセレナード ト長調 作品2」は夭折した作曲家の名品。
第1楽章の指揮は極めてくっきりした造形で、やや茫洋とした印象のあったこの楽章のイメージをこれまた一新してくれます。
緩徐楽章もマーラーのアダージェットのように濃厚に歌いつつ、山好きだったというカルウォヴィチの、若さと爽やかさが感じられます。
第3楽章は、優雅さを残しつつも、乱気流のように音楽が変化し、うねり続けます。
第4楽章も土俗と洗練が織り成す音の洪水の中に、たまに聖化したような、レガートが綺麗にかかったヴァイオリンが流れてくるのが印象的。

どれも曲に対する愛情を感じない部分は有りませんでした。作曲者に寄り添い、音楽の表情表情を的確に捉え、一つの質感としてきっちり出す。
ポーランド、もしくは東欧の作曲家達が、泉下で涙を流して感動しそうな、民族性を確りと持った指揮者が、ここにいます。

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