東芝グランドコンサート2017 クシシュトフ・ウルバンスキ指揮 NDRエルプフィルハーモニー管弦楽団(ハンブルク北ドイツ放送交響楽団)<ヴァイオリン:庄司紗矢香>2017 年 3 月7 日 その1

#音楽レビュー

行って参りました。

Bunkamuraオーチャードホールでの公演。

最初はオーケストラが

グリンカ:歌劇『ルスランとリュドミラ』 序曲

を会場を照明で照らすように演奏。

プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ニ長調 Op.19

では庄司さんは渋めの赤いドレスで登場。

ヴァイオリンにしなだれかかるような姿勢で神秘的な音色を奏でます。
そして、一瞬で転じて野性的な激しさをみせるのは庄司さんならでは。

第2楽章はごつごつとして曲風で、それを有機的に表現しきる庄司さんのヴァイオリンはさながらトンボが飛ぶようです。

第3楽章は夜想曲のような曲想。泰然とした姿から、繊細なニュアンスをもって音楽が流れ続けます。宇宙から雫がぽたぽたと垂れるよう。

最近「葉加瀬太郎の情熱クラシック講座」(葉加瀬 太郎 (著), 林田 直樹 (監修), 新井 鴎子 (監修))を読んだのですが(同書のアマゾンの著者の項目の表記が「葉加 瀬太郎」で切れる誤植になっています・・・・・・。)、ベートーヴェンは全体的に葉加瀬氏とそりが合わない感じで、ベートーヴェンの項では、深刻な作風が普通の奴が聴いている音楽ではなく特別な音楽を聴いているというアピールをしたい貴族にうけた、と解説。

まさにその通りだと思う。

しかしのその視点で行くと、現代音楽は論外としてプロコフィエフあたりも邪心の塊りという感じになってしまい、興醒めですが、実際そうなんだろうと思います。

私自身ロマン派以前を聴くことが多いですけど、やっぱり音楽の喜びに対して素直ですよね。楽しみたい鑑賞者への捧げものです。

プログラムによると庄司さんは絵はカンディンスキーが好きとのこと。
前衛だけど絵としてもみられるというか、嫌みが無いですよね。
そういった所はちょうど庄司さんの音楽の指向性と一致するところがあると思います。

音楽に踏みとどまりつつひたすらに新しい音楽、貴い精神性を追及しようとする庄司さんの活動に今後も耳が離せません!

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