(耕論)安倍談話の歴史観 成田龍一さん、李元徳さん、久保亨さん その3

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「(耕論)安倍談話の歴史観 成田龍一さん、李元徳さん、久保亨さん」(http://www.asahi.com/articles/DA3S12009071.html)では

つまり、司馬は単純に国民国家を肯定していただけの人ではなく、グローバル化の波の中で、国民国家の枠組みを超えていくことも考えていました。しかし、安倍談話はそうしたものは一切、採り入れていない。「坂の上の雲」の司馬しか見ず、司馬史観の一つの側面だけを安易に利用しているように見えます。

とのことですが、自民党の改憲草案に「公益及び公の秩序を尊重しなければない」と入っているのは、「無私」と「公」を強調していた司馬遼太郎さんの考え方とオーバーラップします。

「一つの側面」という言い方ですけど、そういうやや隠れた構造・根底的な思想としては、今の自民党にかなり考え方が入っているな、というのが私の感想です。

また、司馬遼太郎さんの「文明」という概念は、地方の長所・特色「文化」を劣位に置き、グローバリズムが欧米発の地域的なものではなく、普遍的なものであると錯覚させるものだった、と思います。

加えて氏は欧米とアジア以外に目配りが無く「世界」という時はほぼ欧米を指しているといって良いと思う。

「つまり、司馬は単純に国民国家を肯定していただけの人ではなく、グローバル化の波の中で、国民国家の枠組みを超えていくことも考えていました。」というよりは、内においては公に奉仕し、国際社会においてはグローバリズムに従う、という二段構造だったと考えています。

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