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ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第3番 ハ短調 Op.37
はベートーヴェン調の中に古典派風の明朗さものぞく作品。
アリスさんのピアノはやはりニュアンス豊かだなということを感じます。
音の一音一音の独立性が高く、それぞれの音が爽快にまとまりながらも独自の表情を持っている。生き生きとしていますよね。
そこから出てくる不可測性が現代的であり、魅力となっています。
第1楽章の明朗な力強さ。
第2楽章の不気味だったり、まどろむようだったり、優しいようであったり、といった表情。
第3楽章の力強くも輝かしい音色。
それぞれの楽想に対応しつつも付け加えて行く感じで素晴らしい。
アリスさんはかなりオーケストラに対して目配せをするのが特徴。年の近そうな若い指揮者だからコミュニケーションがとりやすいというのもあるのでしょうか。
オーケストラも煽られて尻上がりに音に生気が乗ってきていたように思います。
素晴らしいテクニックが躍動する新しい音楽を生み、ピアノという楽器の性質そのものを変えたかのようです。
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