週刊 ニュース深読み「格差社会の種明かし!? ピケティ本はなぜウケる?」

#その他文化活動

NHKの朝の「週刊 ニュース深読み「格差社会の種明かし!? ピケティ本はなぜウケる?」」はピケティについてで、NHK解説委員の竹田忠氏は「アベノミクスで経済を回復させる、ここまではいい」といった解説を。

日本で講演をやったということで、私も中継を観ていましたけど、ピケティは日本のリフレ政策を明確に否定していました。

講演の時のパネリストの鬼頭宏氏は、ひたすら「ノブレスオブリージュを発揮しやすい環境を作るべきだ」と言っていましたけど、これは日本に適用して言う人が多いですが、欧米の階級社会が前提になっているものでしょう。寄付をして下層に転落する可能性のある場合、誰も寄付などしないのです。

日本では確かに税制の面で寄付をしやすくするなど改善の余地はありますが、結局それはピケティが否定するアメリカ型社会で、格差は広がり続けているのではないか。

いかに体良く富裕層の権益を守ろうかという議論で、やっぱりこういう人は富裕層なんだなぁ、というのが感想です。

全部少子化を前提に議論をしていて、出生率向上への意欲が無いのも問題です。累進税率を上げて子持ち世帯を援助するのが嫌なんだと思いいます。

この人の得意技は歴史人口学ですけど、日本のこの学問は地域差や正確性に問題があるものをそのまままとめて使ってしまっているのが問題で、専門的には疑問を持たれていると聞きました。

しかも海外で流行ったものを日本にそのまま当てはめた輸入学問の切り口であって、講演中に意味もなく「人口、人口」と繰り返す姿は滑稽でもありました。

パネリストはみんなピケティとは似ても似つかない「保守」なんですけど、有名な先生が来たから箔のためにも嫌々集まってきたという感じ。

しゃべっているのが気持ち悪くて、耐え難かったです。

流行っているから御用解説者が便乗して、お門違いの人が「保守」寄りに捻じ曲げて講釈するという状況が続いています。

番組スタジオではデーブスペクター氏がピケティを明確に否定していましたけど、やっぱりアメリカ系の人なんですね。ただ、ピケティだけを観ていても、フランス対アメリカの思想の対決という面はかなり感じるというが正直なところです。

ほかにも「ピケティ氏、消費増税に「ノー」 都内の討論会で発言」(http://www.asahi.com/articles/ASH1Z7RR2H1ZULFA04D.html)のように有名な人が発言すると取り上げざるを得なくなるんですね。

いくら記者クラブメディアでも、いくらか、富裕層に富を移転する消費増税か、財政破綻か、という妄想二項対立から抜け出さざるを得ないでしょうね。

二項対立で煽っていた人間は全員厳しく訓戒した上で首にしないと報道機関として自浄作用があるとは言えません。

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