他の美術館とはなんとなく客層の違いを感じます(笑)案内をして下さる方が多く配されていて丁寧で恐縮しました。
最初は広重の「東海道五十三次之内」で、「府中 安部川」の背面の山の存在感や「桑名 七里渡口」の渡し場の人の力強さ・生命力が印象に残りました。「日本橋」もバラエティに富んだ人々が通る往来の様を良く伝えて居るのみならず、広重の伎倆を得てシンフォニックなエネルギーが有りました。
第二章は蒔絵の箱が多かったです。良く聞く重箱の三次元を巧く使った蒔絵の構成も直に見れました。
箱はオーソドックスな?菊水の意匠の物がドンブラコドンブラコといった感じで良かったですし、解説文が丁寧でした。水の流麗な線と菊のワンポイントは蒔絵に良く映えます。
第三章のマリア・ルゴッシーのガラスを使ったオブジェはなかなか可能性の有りそうな分野にも感じました。光りと組み合わせると更にヴァリエーションが広がりそうです。
薩摩切子は冷美の一言。現代人の私の目から見てもきらびやかに映るのですから、それは江戸時代の人は欲しかったと思います。にしても青にはコバルト使っているんですよね。焼き物もそうですけど製作者の方々は無事だったのでしょうか(^^:)
第四章は歌の解説が丁寧で良かったです。「西行物語絵巻」は損傷の激しい物も多かったですけど、歌と併せて良い物になっていたと思います。「秋草蒔絵楾」の秋草模様の蒔絵も味わいの有るスピード線の様な勢いの有る造形で見事でした。
色々な物が沢山有って楽しめました。特に薩摩切子は特に有るというのも知らなかったので、うつくしくて有り難かったです。
ミッドタウン全体を眺めてみて、日本は優しい文化というものに目覚めようとしているのではないかと思いました。世の中の物質の中でも「水」は優しさそして清明の象徴のとして扱われてきた歴史が有ります。その水を冠に戴いたサントリー美術館は日本の新しい町の、ミッドタウンの要となる施設に成れるのではないかと感じました(何と無く演説調)
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