ショパン ワルツ全集 アラウ演奏 1979年

#その他音楽

何故アラウかというとただ単に図書館に偶々有ったからというだけです(笑)でも偶然にも大変良い演奏でした。
常々書いている様に私はどうもロマンティックに傾いた音楽が余り好きではないんですよね。ショパンは聴かない方の音楽家に入ります。しかしこの演奏はどんなにロマンチックな所でも未だ何か客観的なピアニズムのような物が最後まで残っていているので、浸りきって楽しめます。
ショパンを珠を転がすように流麗に弾く人が居ますが、アラウのショパンを珠に例えるとそれは、表面に見えないざらざらの突起物が散らばっていて、一定以上の速度になると自然に加速度を押さえてくれる、ハイテクなのだかアナクロなのだかよく分からないような珠だと言えると思います(笑)どの瞬間にもアラウの音楽家としての重みが利いていて、非常に説得力の有る音楽になっているように感じます。
第八番の切羽詰った寂寥感や、第十四番のうるさすぎる事の決して無い高音を基軸とした実在感溢れる表現なんかは流石アラウです。本当にかっこいい音楽は自らを着実に積み上げて来た人間が奏でるべき物なのかもしれないと思わせます。

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