泉屋博古館分館 茶道具 付属品と共に楽しむ

#練習用

ただ券を頂きましたので行って参りました(^^:)
一番自分の心に残ったのは「黄伊羅保茶碗 銘 渦」(李朝時代・16世紀)です。余りにぼろぼろで、年代を経てこうなったのかなとも思いましたが多分これが作意なのだと思います。黄色かったり茶色かったりする土が、茶碗の体を成していると言うより、地面の余った所が茶碗の形に盛り上がっているといった趣で、土の持つ生命力が極限まで生かされた名作だと思います。橋の下辺りで桃水和尚とかが使っていたら絵になるかもしれません(使わないでしょうけど)ぼろぼろに見えて両者とも実は稀なものだというシュチュエーションはちょっとあざといともいえますけど(笑)
「小井戸茶碗 銘 筑波山」(李朝時代・16世紀)も美しい円が規則正しく平行に茶碗の底まで描かれていて、「渦」とは対照的というべき凛とした気品が有りました。
「伯庵茶碗 銘 宗節」(江戸時代・17世紀)も日本らしい簡潔な美しさが良かったです。
他では「平瓢箪釜 銘 空庵」(室町時代・16世紀)も釜の質感と瓢箪の形の取り合わせがユーモアの有る雰囲気でしたね。
「原羊遊斎 椿蒔絵棗」(江戸時代・19世紀)は酒井抱一のスケッチ付きの手紙が添えられていて、そこの寛いだ感じのスケッチを見て、抱一はこういうのが好きだなぁと思いました(笑)
「唐物黒漆塗青貝芦達磨香合」は芦に達磨が乗っているのが面白いなと思ったんですけど、達磨がインドから中国へ芦の葉に乗って渡海したとする伝説に基づいた良く有る意匠の様ですね(笑)

使うべきものを眺めて鑑賞する、というのはやっぱり本来の有り方ではないのかな、という話は良く聴きますし、今回直にそういう印象を受ける事も多かったですが、それはそれでやはりこういう見方からしか得られない特有の美しさを放っていました。

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