ノリントン指揮ベートーヴェン交響曲第九番「合唱」シュトゥットガルト放送交響楽団

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早速ノリントンの第九を聴いてみました(笑)映像を見ると分かるんですけど、あの人はなんかぴょぴょっ、と動くんですよね。音楽にもそこら辺が反映されていて、特に普通で良い所もかなり音が跳ねています。好きな人も居るかもしれませんが、私は呼吸が浅いと言っていいと思いますし、実際聴いていて悪い意味で息が詰まっている時間が多かったです。フレッシュというよりは縮こまりつつ急いでいる感じで、一楽章でかなり挫けそうになりました(笑)音楽は最終的には好みですからなんともいえませんけど・・・。ただ旋律の入りは有る程度フレッシュな所が有るといっていいと思います。そのあとはやっぱり縮こまった感じになってしまうんですけど。第一楽章も最後の方は疲れたのか縮こまり方はゆるくなって、自然に聴ける所もありました。
第二楽章はベートヴェンの曲中でも相当好きなんですが、ジンマンよりずっと遅いし戦前のフルトヴェングラーよりも遅い感じです。個人的にはガンガン行って欲しかったんですけど(笑)拍を感じさせる比較的がっしりした演奏です。迫力も熱狂も欠けていてオーソドックスだけど中途半端だと思います。ただぼてっとはしていないので聴き安い美徳は有ります。
第三楽章は美しかったり陶酔させてくれる所はないんですが、まぁ、なんとなくするする聴けてしまう演奏では有ります。ショックを受けるような良さは皆無ですし、ベートーヴェンの長所が余り反映されていない演奏だと思います。
第四楽章もあくまで軽くぽんぽん進めていきます。しかし弾んでるなぁ(笑)熱気が足りない感じなのはちょっと不満ですね。曲の本来持つエネルギーと比べるとかなり落差があって、表情があんまり付いていないと言って良いと思います。最後まで極めて淡々としていて、合唱はむしろバロック的に響きます(笑)

全曲を一貫したのはどんなに遅くなってもごてごてしない事と、表現意欲ですね。とはいえ表現自体は小粒で表面的な工夫に留まっていますし、気迫も不十分で、長所と短所が相半ばする演奏だったと思います。
私はジンマンの方が上だと思いますが、(特に一楽章の窮屈なニュアンスを抜かせば)聴きやすい演奏では有りますので、ジンマンより上に感じる人が居たとしても、うーん、不思議ではないと言えると思います。ノリントンとシュトゥットガルト放送交響楽団との相性が良い(推測)感じなのも違和感の無い一つの原因なのだと思います。

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