楽しいのは別として、最近は暑くて、部屋を締め切って音楽を聴くのは結構大変なんですよね。涼しい時に機を見ては聴いているのですけど、恐らく2,3ヶ月はあんまりスピーカーとは縁の無い生活をすると思います(笑)
ブルックナーはみんな似たような感じでは有るのですが、ヴァントの1,2番とこの0番と聴いて、やはり相変わらずなのには笑いました(笑)ブルックナーは他の作曲家に比して、自分の内面をただ書き付けて曲にしたという面がより強いのかもしれません。だから最初期から後期に至るまで、基本的な響きの造りが変わらないのだと思います。
と、いうわけで曲の中身については。相変わらずですね、先生。位にしか言いようが有りません(笑)ただ0番は3、5番の系列の峻厳な系統の曲の様に思います。一楽章の所々の厳しい響きは素晴らしいし、演奏者も厳しい所に来たからといってのめりこんでテンポを上げるよう事を一切しない所は、大阪フィルの素晴らしい伝統なのだと思います。二楽章もppやpがそれぞれpやmpっぽくザンザンと響くのがやはり大阪フィルらしいです(笑)第三楽章も立派な音楽ですが、ちょっとこせこせしてブルックナーにしては地上的な所が有るので、そこら辺がこの交響曲をブルックナーが気に入らなかった理由の一つなのかもしれません。第四楽章も極めて魁偉というべき内容で、本当に鳴りの良い曲です。あんまり演奏されないのはちょっと勿体無い位です。
下野さんは柄は丸っこい人ですが、響きは硬質の系統のようです。大阪フィルからもやはり、朝比奈隆さんの音が色濃く残っているように感じます。特にブルックナー演奏においては先駆を成した誇りが有るのでしょうね。
付属の解説書の冒頭の「日本を本拠地に活躍している若手指揮者の中でも、下野竜也が一歩抜きん出た存在である事はクラシックファンであれば誰しも認めることだろう」という文言への突っ込みは横に置いて、ブルックナーを良く聴かせてくれるCDで有る事は間違いが無いといえます(笑)
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