ローベルト・ホル バス・リサイタル リーダークライス 歌曲集「詩人の恋」( シューマン作曲 )

#その他音楽

衛星での放送です。
シューマンはそれ程好きな作曲家ではないんですが、歌曲は格別だと思います。個人的にはヴォルフと比べても、迫ってくるものがまるで違うと思います。
ホルは宇野先生が好きな声楽家ですが、なるほどと思わせます。表情がたっぷり付いているんですが、不自然じゃなくて、声に丸みがあるんですね。ドイツ風のバスですが、実力があるので野暮ったく聴こえる所は皆無です。
ピアニッシモで入る時の美しさが素晴らしいです。入りの極限的ななだらかさが、人の声から離脱させようとします。
地平線を感じさせるような、自然な雄大さも持ち合わせており、自在にスイッチする技術が最高です。
勿論発声そのものも全く喉に引っかかりの無いもので、これだけで文句無く素晴らしい歌手だといえるでしょう。

農村で朝から酔っているおじさんの様な外見ですが、田舎臭さに宿るような良質の精神が僕は大好きです(ホルがそうかは知りませんが)
「詩人の恋」の3「ばらに、ゆりに、はとに」の様な細かく語りかける所も上手いです。
飛ぶ唾まではっきり見える、7「わたしは嘆くまい」の凄演が素晴らしいです。完璧に歌になりきっています。
ピアノのみどり・オルトナーさんも、上手く合わせて引き立てていると思います。

体型はオペラ歌手的て、俊敏な感じではないのですが、良く膝とか身体全体を使って音楽に彩を持たせている所が、印象的です。自然で、ずっと浸って聴いて居たくなるタイプの声楽家です。

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