東京国立博物館 東洋館

#工芸

行って参りました。
それにしても、仏像盗難の犯人の一人が捕まって良かったですねぇ。結構心配して居たんですよね。個人的には背後の仏画が気になりました。ただ、マニアの犯行だったのは少し驚きました・・・。

一階の「中国彫刻、インド・ガンダーラ彫刻、銅鼓」では「如来坐像」(パーラ時代・9世紀頃)がシンメトリックな美しい一品。日本は基本的に、左右対称を嫌う文化だと言われますが、インドはタージ・マハルとか、左右対称が好きな感じですよね。
「観音菩薩立像」(中国 東魏時代・武定6年(548))は光背の滑らかで、ぬるっとした質感が特徴の、道教っぽい仏像。石窟から持ってきたのも幾つかありましたけど、中国の仏像はどれも人間らしくて良いですね。極め付きが「勢至菩薩立像」(中国 隋時代・6世紀)で、零れ落ちそうな衣が瀟洒の極みで、水も滴る良い仏像といえましょう。

「西・東南・南アジア美術・考古、エジプト美術」では「ラピスラズリ製玉」(シリア北部 青銅器時代前期 前3千年紀)は絵で良く使われるので、興味深い一品。ラピスラズリの青は、嫌味が無い色ですよね。
「紅玉髄製管玉」(シリア北部 青銅器時代前期 前3千年紀)も綺麗な赤い色で、唐突に例えるなら、鹿に魂が有るとしたら、きっとこんな色をしているに違いない、と思いました。

特集陳列「中国の貨幣」では、古代中国で貝が貨幣代わりだった、という説が専門家の間で疑問視されているとの事で、「貝と羊の中国人」なんていう本は、少しピンチかもしれません(笑)
お金に彫り込まれた甲骨文が印象的で、はてさて、どんな思いが籠っているのでしょうか。ちなみに古代中国では、個人でお金を作っても良かったそうです。アメリカの西部開拓時代でも、みんなオリジナルのドルを作っていたといいますから、少し似ていますかね?(違う)

陶磁では「法花蓮花文鉢」(明時代・15~16世紀)が海の深さを思わせる、内側が綺麗でした。「茶葉末双耳瓶」(景徳鎮窯 「大清乾隆年製」銘 清時代・乾隆年間(1736~95年))は茶葉の色に、うっすらかかる黄土色が、焼き物の楽しさ。緑の質感は、深いともユーモラスともつかず、中々表現し難いです。

中国の絵画 特集陳列「梅花」では「墨梅図」(順治帝筆 清時代・順治2年(1655))が枝を書のように、かすれさせながら描いて行ったものなのですが、抱一などと比べるとざっくりと硬質で、お国柄なのだと思います。
「墨梅図」(高簡筆 清時代・康煕47年(1708))は朽ちに朽ちた梅の姿が印象的で、侘びの朽ちでは無く、自然の強烈さが描かれているように思います。
「梅花仕女図」(湯祿名筆 清時代・道光23年(1843))は、覗き見る女性を柔和な筆致で描いたもので、中々の色香でした。
「緑梅図」(丁輔之筆 中華民国4年(1915))は賛が甲骨文で書かれていました。

「朝鮮の陶磁」では「白磁面取鉢」(朝鮮時代・18世紀)を始め、白磁がみんな綺麗ですねぇ。両班風なのかもしれませんけど、まぁ、これはこれで。

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