88番は宇野先生の大推薦盤。今こそ聴くべし、アーベントロート!とのことで、インターネットで読める檄文が活弁士ののり(多分)で素晴らしいです。
この演奏の一番の魅力はハイドンの構成感を吹っ飛ばしつつも、変な方向にも傾かない、自在なタクトですね。
それにしも所々の、何か巨大な金属片が天から降って来るかのような独特の音色は、クナ以外ではアーベントロートからしか、聴こえてこないものだと思います。
この指揮者はメヌエットが面白いですね。なに、武人の嗜みだ、とか会話が聞こえてきそうです(何
フィナーレのアレグロ・コン・スピリートも見事。オケが鳴りきらないんじゃないかとはらはらさせる速度で、緊張感のある再現芸術です。
97番は88番に比べると、やや一本調子でしょうか。前曲と比べて、細かさよりは流れに頼っている感じはしますが、それでもとても良い演奏だと思います。いや、比較材料がにわかに浮かばない曲ではありますが(笑)
「ヘンデル:管弦楽のための二重協奏曲第3番 ヘ長調」では、ヘンデルの華美な音楽が、一風変わった艶めかしさと内面性を持って流れていきます。何を振っても、らしい楽しさがあります。
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