J.S.バッハ チェロソナタ カザルス

#音楽レビュー

いや~、それにしても暑いです。どうも私は地上を歩きたくなるんですが、ほどほどにして水を飲まないと危険ですね(笑)皆様もお気をつけ下さい。

古楽器派の演奏が正しいとか、良いとかと言う意味ではないですけど、カザルスが当時より一音一音を豊かに弾いていることは確かな感じで、常にはちきれそうな印象を与えます(笑)
それにしても、バッハの無伴奏とか、素朴な曲は不思議なもので、良くこんな少ない音符の中に、自分の個性をここまで封印できるな、と感心します。

第1番では第4楽章にカザルスのパワフルさが良く出ています。
とはいえ、情熱の中の祈りといいますか、火もまた涼し、じゃないですけど、そういう印象を受けますね。
カザルスというとブラームス風だとか当時言われていたそうですが、指揮で得意だったのは未完成やモーツァルト。そういった要素を強く持っている、チェリストなのだと思います。

伴奏はパウル・バウムガルトナーという人です。2番の第4楽章とかでの、音の長さを揃えることに気を配っているような演奏が、カザルスと対照的です、

解説には「バッハが客観的であるという何の役にも立たない間違った理論」にカザルスが異議を唱えていたことが書いています。何が客観的か、というのはありますけど、客観的であったら、カザルスのような演奏は生まれなかった、ということは言えそうです(笑)
バッハが自由で可能性に溢れていることを力説していて、もしかしたら後年色々なジャンルの演奏家がバッハを演奏していく際の、一つの源流となった考えなのかもしれません。

3番の第2楽章のフランク辺りと同時代に聴こえるような、遅いテンポでヴィブラートを抑制的にもふんだんにかけた、憂愁の演奏が素晴らしかったです。

音楽は非日常的な体験を求めて聴かれたりしますが、このCDにはカザルスの日常と同調したような非日常性があります(笑)夏ばてに負けない毎日を送る為に、あなたもカザルスを生活にどうぞどうぞ~。

コメント

タイトルとURLをコピーしました