サントリー美術館 日独交流150周年記念・国立マイセン磁器美術館所蔵 マイセン磁器の300年 壮大なる創造と進化&日本音楽集団 国立新美術館ロビーコンサート

#その他芸術、アート

行って参りました。

「色絵花鳥文六角共蓋壷」は柿右衛門の写し。柿右衛門の影響力、美しさはかなりのものです。

マルコポーロが磁器を初めて西洋に持ち帰ったらしく、そのかなり後に開発に成功しても暫くは結構、東洋物の写しを作っていたのだそうです。白川静さんは東洋はどこか、と仰っていましたけど、磁器を通してみると、結構良く浮かび上がってくるのかもしれません。
東洋というのは日本ばかりがいっている概念で、一方通行なのが現状なんですよね(笑)
最近南部鉄器が中国で人気だというのですが、中国の人が東洋の存在に気が付き始めたのではないか、と思ってみています。順調に行けば、そういう東洋的な地方物産が中国で大量に捌ける時代が来るのかもしれませんね。

また、中国のイベントを中継したもので、日本の民俗物のシューティングゲームのコスプレをしている人を良くみかけますけど、日本人の原型に近い感覚を持っていたという、商の人の末裔の荒ぶる神霊魂がさせているのではないかと思って視ています。それにしても、おつかれさまでした。

アウグスト強王は磁器で満たした「日本宮」なる建物を作ったらしく、その中にごろごろ置かれていた作品の一つ、「メナージュリ動物彫刻、コンゴウインコ」は倒立した構図が活動的な、純白の見事な作品。動物ですけど、磁器のミケランジェロといいますか、そういうものを志向していたのではないか、ということが肌で伝わってきます。

小物では、「手紙を書く人」ですとか、日常の動作にロココ調の調和の美が宿ります。
「猿の楽団」は人間を猿に模して皮肉ったものだそうですが、自然観の違いも感じます。森狙仙などを擁する、日本からみると少し違和感がありますよね。
「カット・クリスタル文様インク・スタンド」は淡いピンク色で、ピンク色の骨董というのはなかなか面白いですよね。

この頃の日本の焼き物の技術・デザインは相当なものだったようです。中国の内戦で景徳鎮の技術が日本に流出したらしく、この前戸栗の学芸員の方が仰っていた、伊万里の長足の進歩は、このことが原因なのかもしれません(^_^;)

さわやかで、誰にでもオススメできる展覧会です。是非、どうぞどうぞ。

この日は日本音楽集団の国立新美術館ロビーコンサートの日なので、そのまま国立進美術館に移動。ブラタモリの六本木の回の再放送のちょうど次の日で、放送されていた二本の道を通ったんですが、江戸の道ばかりに車が通っていきますね(^_^;)

建物のデザインが微妙だという声も聞きますが、普段は邪魔っぽいコンクリートが、この日に限っては良い反響板になっていたように思います(笑)

団員の七人中女性が五人で、なかなか典雅な雰囲気です。
司会の尺八のお兄さんが面白い感じで、演奏も良い呼吸だったと思います。
尺八は何の因果か、普化宗の人がこの楽器を吹くことで悟りを開いてしまったので、その宗派の人は、これをずっと吹くことになったといわれています。
しかしなかなか納得させるもので、この楽器はまず音を鳴らすのが難しいらしく、非常に呼吸の鍛錬になります。ユリというらしい、体をゆする動作も特徴的。
また音に悟性というと仰々しいですが、そういう神さびた感じもいたします。これは尺八には顕著ですけど、他の日本の民族楽器にも、そういう所が有ると思います。
このまえヨガの教本がブックオフの百円コーナーに置いてあったので、ちょっと読んでみたのですが、健康チェックのシートの所に、濃い味付けが好きか否か、という項目があったんですよね。
濃くない味が好きな方が健康的である、ということですが、これは音にも言える部分があるでしょう。和楽器には心身が健やかな時に聴きたくなる音色が多く含まれているように思います。

「SAKURAパラフレーズ」では日本の桜に纏わるポップスを演奏。こういう試みが良いですよね。さくらさくらから、森山直太郎まで。
今回は当然、オーソドックスな演奏でしたが、冒険的な編曲も、面白く出来そうな気もしました。

「フランス古典メドレー」はボレロを吹く笛の人が気持ち良さそう。器楽曲なので非常にあっています。が、和楽器と曲の微妙なズレが面白かったです(笑)

それにしても、鳴っているだけで面白いです(笑)民族音楽ファンの私からみても、日本の民族楽器は豊かだなぁ、と思います。
良い演奏会をありがとうございました。

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