Bunkamura Gallery 吉田照美 絵画展 不思議な夢 その2

#その他芸術、アート

いってまいりました。

有名人などのこういったイベントには花がずらずら並んでいるものですが、つつましやかなものが伊東四朗さんからのみ。交友関係は意外と少ないほうなんですかね?深い関係は限られるということでしょうか。

客層には制服姿の女子学生などもいましたけど、通りすがりか、吉田照美ファンなのでしょうか。

最初の「グラナダの昼下がり」は何のぼけもないちゃんとした風景画。全般的に直線的な構図が目立つのが特徴で、生真面目な性格を感じました。政治ネタで色々やっていますけど、悪い意味で不真面目な人ならばスルーすれば良いんですからね。

普通の絵を描いていてもなんとなくシュールレアリズムっぽいタッチで、デジタル的な感じというか、そういう塗りだと思います。

今回の作品にはすべて値札がついていて、この作品は100万円超。ポスターの2100円が安いくらいで後はこんな感じで、恐らくすべて売れたとしたら億万長者に僅かに迫ります。

結構ラジオでは尖ったこともいえていますけど、それやっぱり副業を持つものの強みだと思うんですよね。他の業界でも有為だったり、人気のある評論家は副業を持っている人が多いんですよね。
副業を持っていないとジャーナリストになってはいけないという規定を作るべき、というと言い過ぎですけど、他にがっぽがっぽ稼げる副業を持っているという気持ちで筆をとるのは全員に望まれていることだと思います。

「トスカーナのある日」など少し寂しげな表情があるのも特徴。

「匿名の告発」や「沈黙の叫び」は共に手に名画を持っている絵で、自らは黒衣となって人に語らしめる職業柄が出ている絵だと思います。

「アウトローと世間の目」は世間に突っつかれている作品で、大変なこともあるのでしょう。

「あの空を飛べたら」など、空を自由に飛びたいな系の絵が多いのも特徴。
「バニーボーイの憂鬱と快楽」は職業柄の道化的な部分が表れている絵でしょう。
併せてみると、騒々しい表面的な世界に身をおきつつ本物をうかがうという感じで、あっさりいって真・善・美への希求が感じられますが「食べると本物になる石のリンゴ」など壁の厚さも感じさせます。

ニュートンが浮遊しゴッホが咲き、背景には大都会東京、といったような絵もありましたが、これはラジオのラインナップそのものですね。

「近所の犬」は大きな瞳の中に犬が描かれた絵で、この胡散臭い犬は日ごろ目にする下らない政治家に違いありません。

猫の絵も多く出品されていて、多くは花と戯れています。
花は智慧や美を表す、といった解釈が妥当でしょうか。そういったものと戯れながら、リスナーとの親和的な繋がりが表現されているのではないかと感じました。

「肩車」「あの日の約束」「家路」など夕焼けを背景に家族愛を感じさせるような一群があって、熱く、真面目で、ロマンを感じさせます。家族の繋がり・営みを感じさせ、ラジオは人の日常そのものでもあります。

一通り観終わったかな、と思うと、今日は来たの?などといいながら、賑やかな一団が。
恐らく中心にいたのはご本人で、大きな身体で少しかがみ気味で、若々しいです。少年の日の夢を忘れていないかのようなその横顔に、絵の中でよく飛んでいた手作り飛行機が重なったかもしれません。

夕焼けと青空が特に印象に残った展覧会で、色々な作品があって面白かったです。恐らくご自身がストレートに表れた作品群で、そういう意味ではとても正直ですし、絵は人だなという感想を強く持ちました。ありがとうございました。

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