たばこと塩の博物館 渋谷・公園通り たばこと塩の博物館物語 35年の感謝をこめて その3

#その他芸術、アート

渋谷でのこの博物館の最後の企画展。

入館料が激安でめちゃくちゃ充実している美術館で受付にはお姉さまがいつも三人くらいいるような状況なので、さすがに赤字で辺鄙なところに引っ越すに違いない、と思ったら、なんと移転先は墨田区のスカイツリーの真下だそうで、堂々の栄転と言えます。

どのように維持管理されているのか未だに謎な美術館ですが、きっと国の資本のようなものが入っているのでしょう。

そのように観ていくと、近くにJTと同じように半官的な性格を持つ東電の電力館があるのが、不気味なのですが、さすがに塩ムラやたばこムラは存在しない、もしくはあったとしても微々たるものであることを祈ります。

そもそものこの博物館の成り立ちを説明する展示で、旧大蔵省でたばこや塩が専売されていたのがこの二つが合わさっている理由のもとになっています。

塩の専売は中国が有名ですが、日本でもそういう時期があったんですね。江戸時代は専売にしようと各藩が画策しようとしたがうまくいかなかったとぐぐると出てきました。

嗜好品ではあとは茶などが有力で、その部分があればさらに充実した展覧会になるのにと思うことが何度かありましたが、成り立ちから言って入ることがないのでしょう。入れると面白いと思いますが。

最初期のコレクションは佐々木謙一郎という大蔵省の役人の人と三菱の古堀栄という人で集めているらしく、それぞれ長唄や浮世絵に精通しているなど趣味も高雅。戦前は結構こういう非常に文化レヴェルの高い人がかなりいたと思うのですが、今の財務省や三菱に匹敵する人が果たしていますかね。

また、煙草盆などの国宝級クラスのものは、1927年と1930年の大恐慌が起きたときに紀州徳川家などが家財を売り立てに出した時に手に入れたものなのだそうです。

展示品はさながら当館の名品選。
私が一番最初にたばこと塩の博物館に行ったときにあった山崎龍女の「縁台美人喫煙図」などがあって、懐かしいです。

館のロゴは最初にタバコを吸っていたといわれるマヤ文明のデザインなのだそうです。

戦前から行われていた「たばこ展覧会」なる煙草について啓発する出張展示について大きくコーナーが割かれていて、結構人気だった模様。意義や開く理由については書かれていなかったと思うので、現代的にはあまりほめられたものではないということなのでしょうか。

天皇が使ったタバコ道具なども展示されていて、その前では脱帽を義務付けられていたとのこと。

また宇賀田為吉という医師の人も煙草について調べていたらしく、そこから来ている資料もある模様。八代目桂文楽のコレクションも大きいらしく、落語家なら研究する分野でしょう。品々を取り巻く関係者が層をなしてコレクションを形成しているところが非常に興味深いと思います。

小林礫斎のコレクションは今一番人気があるらしく、この前の特集展の反響はものすごいもので、他館からの貸し出しの問い合わせがひっきりなしであるとのこと。

長谷川雪胆の「山中里代像」は華道家の妻の追善のために描かれたものなのだそうですが、横には大きな煙草盆が。愛煙家だったのだろうということ。江戸時代は多くの女性が喫煙していた時代で、そのことを強調せずにタバコは語れないということでしょう。

一階ではメキシコの塩を袋に詰めてお土産にできるようになっていて、研究に使ってとのことですが、実質博物館からの贈り物でもあるでしょう。

この地で長い間、ありがとうございました。

面白い展示が集まっている廉価な展覧会なので、ぜひぜひどうぞどうぞ。

この日は猛暑。行き同様帰りも代々木公園を突っ切っていこうとすると、ステージでは歌手が踊っていて、周囲ではいわゆるオタ芸をやっている人たちで盛り上がっていました。これは初めて見たかもしれません。

横の代々木体育館では「a-nation island」というものをやっており、大島さんが出るという噂を聞いたので、なんとなく、気合を入れてくださいね!と念波を送りました(^_^;)

コメント

タイトルとURLをコピーしました