ぐるっとインドシナ半島3000キロ 豊かさと悲しみの大地をゆく 前編

ぐるっと

首都ハノイでは元宗主国のフランスやアメリカの侵攻が取り上げられ、角逐の激しい地であるということを解説。

こういった異民族を退けてきたことが、国家としての神話となり、アイデンティティとなっているような雰囲気。

すぐに南下し、古都フエでは阮朝の太和殿を訪問。すべて中国を模倣することで中国に対する存在感を誇示していたそうで、日本で言えば奈良朝の思想といえるでしょう。

中国思想全般を本格的に取り入れたらしく、冬瓜は陰で体を冷やすとか、暑い国ならではの生活の知恵として根付いていて必須の知識になっている感じ。

次のホイアンもすごく水の多い地域で、江南調ですが、水がすべて灰色なのが特徴的。このくぐもった感じはベトナム産の焼き物の色調とも共通しています。

そこで訪問した家では、父親が、ベトナムを侵略したフランス人はそもそもその歴史を知らない、ということを。

EU各国は反共産主義でまとまっていたのでその範囲では未来志向にやっているようにみえますが、ことそれ以外となると急に手薄くなるでしょう。その戦後の歩みは良いところを参考にしつつも、過度に理想的にみないことが大切です。

娘さんは、フランスがアルファベットをもたらしてくれたので漢字を学ばなくて良くなったからよかった、と心底安堵の表情。

表音文字であるハングルを採用している韓国では漢字回帰の動きがそこそこ盛んだそうですが、ベトナムはどうなんですかね。中国の国力がこれ以上増していけば影響を受けることもあるのでしょうか。中国の成長は少子高齢化などでかなり怪しいですが。

新聞記事の「(インタビュー)知日派の日韓論 韓国の英文学者・羅英均さん」(http://www.asahi.com/articles/DA3S11872930.html)では表音文字のハングルより日本語は倍速く読めるとのことを。

漢字の表現力は本当に優秀で、ネットで人口比に対して日本語が意外に優勢なことなどとも密接にかかわっているでしょう。良い部分は見直してほしいですよね。

続いては共産主義化して宗教を禁止されるのを恐れて北部から65万人も逃げてきたというキリスト教徒の一人で今はニョクマムを作っているという一家を取材。非常に複雑で、さまざまな要素が入り乱れている地帯であることがわかります。

フランスの最初の拠点だったというホーチミンではアオザイも取材していましたが、これも各時代の占領者の要素の良い部分を取り入れているとのこと。
古いアオザイは羽織るタイプでフェルメールの「地理学者」が着ている日本の着物にも似ています。ただ、止め方や襟の感じがやや違うので、やっぱりこれは着物なのですかね。


戦後にフランスを撃退してことをやっていましたけど、植民地化したのもひどいですけど、戦後にまた植民地化しようというのもひどい話です。兵器もたくさん売れば最近まで核実験もやっていましたし、フランスの「人権」はこのようなことも含めて考えないと正しくないのは確かでしょう。

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