力強い序曲のクライマックスからなだれ込んだ第一幕。
男装で看守の中に紛れ込むフィデリオが主人公。そういう意味ではハラハラするストーリーといえるでしょう。
結構オペラの評価としては微妙な評判を聞きますけど、面白おかしくないというだけで、そこそこ面白いと思います。ベートーヴェンの音楽はやはり魅力的です。
「お金が無いと幸福にはなれない」とか、ありていに言えばお金を集める能力にたけていたベートーヴェン好みな感じのセリフ。
「死によって自由を得る」というセリフもありましたが、ベートーヴェンっぽく希望と絶望が交錯するストーリー。
アニヤ・カンペ扮するフィデリオが希望を語る「人間の屑! 何をしているつもり? かかってきなさい、希望は捨てないわ、最後には星が出る」のアリアは圧巻です。
ロッコ役のヨン・グァンチョルの渋く豊かな声も良かったですね。
バレンボイムの指揮はあくまで低く厳めしく序曲よりは前に進んでいる印象。上から音を押さえつけているような感じですね。
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