プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 作品26
ではピアノの松田さんが登場。
オーケストラの第1楽章中間部や第3楽章の弦が重なり合う綺麗な旋律のところは藤岡氏らしい感じだ。
第2楽章ではピアノがとても力演しているのにオーケストラの強奏で全く聴こえないところがあったんですけど、こういうものなんですかね?
プロコフィエフの曲自体はメロディアスなわけでも不協和音が飛んでくるわけでもなく、全体的な印象が薄い。
そこに松田さんが醸し出す厳しくストイックな雰囲気が全体を支配し、それが不思議な楽しさになっているような演奏でした。
厳しく澄んだものが絶え間なく音符として降って来る。
多少マイルドですけど、分かりやすく言えばピアノのムラヴィンスキーといった感じだ。
pが続く部分は厳しく粒揃いで澄んでいて技術を感じさせます。
第3楽章の不気味そうなソロも誠実でクリアで、そこはかと明朗さすら感じさせる。
お客さんの方を向いて演奏をすれば人気が高まるかもしれないですけど、このまま突っ走っていくのも面白い気がします。
アンコール曲の
チャイコフスキー:18の小品 踊りの情景(トレパークへの誘い) Op.72-18 ハ長調
もリズミカルなコミカルさを持ちつつもやはり厳しい演奏。
こういう曲なのかと思って帰宅して改めて調べたのですが、チャイコフスキーらしいかわいらしさもある感じの曲みたいですね。
この厳しい楽しさが演奏会を貫いていましたね。
ムラヴィンスキーのドイツ物が良かったようにベートーヴェンやシューベルトも期待できそうな感じがします。
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