１１月２１日大竹まこと ゴールデンラジオ！ ゲスト金子勝(慶應義塾大学経済学部教授)

内容は最近のメディアについて。

テレビにも良く出る青木さんは「記者クラブってろくでもないんだけども」ということで、確かに悪いんだけれども「メディアをそんなに信用せず」観る姿勢が必要だとのこと。

政府の広報のような新聞はあっても良い。最近は情報が最初に流れて来るとのこと。

しかしそれは一社でよいのと、広報だと名乗らないで広報をやっているのが悪いと思うんですよね。

そういう外の顔と本質の不一致をしているところが一番悪いともいえる。知識人にも多いですけど、新聞で言えば朝日・毎日が悪いと思います。私は「偽装リベラル」という造語を自分で作ってよく使っていますけど、こういった所を私が良く取り上げるのも、今のシステムの中で中核的な腐敗を担っていると思っているからです。

東京新聞は結構安倍政権批判をやっている、とのこと。

首相が解散の発表をした時に最初の質問は軽減税率だった。あれはひどかった。朝日新聞は無借金で不動産を沢山持っている。滅茶苦茶儲かっている。そういう人たちが、、、、とのこと。

ただ、新聞の軽減税率はあっても良いと思っているとのこと。

文脈から言うと、大本営発表を垂れ流したご褒美としか解釈できないのが問題です。

次のゲストは金子勝さん。

現在は「議会制民主主義」の危機である、とのこと。

こういうのは青木さんとかはあんまり言わないので、学者らしい言い回しともいえるでしょう。

近々では検察のスキャンダルであるとか、何か危機が起きるたびに日本では、法治主義が足りない、議会制民主主義の危機だ、と叫ばれますが、私には違和感が。

法治主義というのは長らく日本のアジアでの特徴で、最近では天声人語で人治の国中国を諌めていましたし、オピニオン欄には中国の人の、日本人は中国を人治の国だと見下すが～というようなインタヴューが載りました。

近代史の本を読んでいても、アジアの他国を人治主義の国だからと揶揄する文章によく当たります。

これはアジアの先進国としてのプライドであるわけですが、そのプライドに溺れているところがあるのではないかと思うのです。法治主義という言葉に酔って人を忘れてかえって法治主義を失っていると思うのです。

たとえばイギリスでは

「人治の国で
　本書においては、英国の政治制度について詳述する紙幅が無い。最も重要なことは、この国の制度は権力の濫用に対してさまざまな歯止めを設けつつも、結局は政治は人が行うということを正面から受け止める仕組みを形作っていることである。
　成典憲法をもたない英国においては、他国同様、法に社会を規律する役割が与えられているものの、議会での議論を経て正統性を得た政治的意思が法を超越する柔軟性が認められている。議会制民主主義の母国、英国は法治主義の母国でもあるが、本質的には「人治」主義の国なのである。」（「危機の指導者チャーチル」 (新潮選書) 冨田 浩司 (著)２９９ページ）

というような状況であるとのこと。

日本の法治主義や三権分立にはこの覚悟が決定的に欠けています。

もし彼我に差があるとしたらこの認識の差なのだと考えています。

法治主義であるとか、議会制民主主義が危ういと思ったら、議会制民主主義に注目するのではなく、人に、「人治」に注目するようでないと、議会制民主主義は守れないのです。

西洋から導入した議会制民主主義に対して依存的になっているがゆえにその機能を正しく働かせることができていないと思うのです。

そういう視点から観ると、金子勝さんだけではないですけど、日本の大半の知識人と言われている人は、ここのバランスがとても悪く、全体として明後日の方向に行ってしまっていると観察しています。

ラジオに戻って、メディアは２週間前になると何も言わなくなる、ということを大竹さんは問題視。

それを受けて金子氏が言うには、宮沢・小渕・宮崎・下村・衛藤・・・・全部で７人くらいいるがみんな追及されなくなる。

「解散が汚いぞというのが第一の論点」とのこと。

安倍は「下々のことがわかっていないからダメ」とのことですけど、勝手に下々にしないでほしいと思います。

「もう恐らく酷い格差社会になるんだよ。このままだったら。」とのこと。

「再生可能エネルギーに投資している人をやめさせるようなことをしていいのか」とのことですけど、これも大手メディアでは言わない大きな論点です。

「消費税をしっかり社会保障に使え」とのことで、現状では使われていないといえます。

「脱原発をしないと成長しないんだよ」とのこと。

事故の責任をなんにも取らないで、世界で一番高かった電気料金が上がり続けているとのこと。