古筆は結構好きなので、行って参りました。
人が非常に多い展覧会で、会期が短いからなのか、それの割には人気があったからなのかは分かりません。
作品リストにも載っていない焼き物がいくつか展示されていて、「絵高麗梅鉢文碗」はいかにも雑器といった感じが、茶道っぽいです。
「絵唐津」は柔らかい土感が素晴らしいです。
五章は近代に編纂された手鑑を展示していて、近代のものと平安時代のものを外して編集されているそうです。平安時代の評価が低かったんですかね?
逆に最終章の古筆手鑑「谷水帖」は平安時代のものばかり集めたもので、極めて良質。なかなか言葉では表現し切れませんが、日本の仮名の書の文化は、端麗にして柔弱な精神性を書き付けるものとして、他に類をみないのではないかと感じます。
驚きの豪華コレクションで、手広い美術館だなぁ~と感心しました。明治の初期までは茶道的な教養が無いと一人前とみなされないような時期があったらしく、当時の実業家の古美術コレクションは多いですが、その中でも出光美術館は社会的な要請からというよりも趣味で集めている感じがして、そういった所が好ものしいと思います。こういった展覧会を開いても、より美しさそのものにスポットライトが当っていたと思います。ありがとうございました。
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