西洋と東洋のワルツ―――法悦と神秘主義 コンチェルト・ケルン サルバント

#その他音楽

こういう民族音楽チックな雰囲気を持った曲集はとても好きです。
モーツァルトの「ドイツ舞曲」は既に晩年の作品で、素朴な旋律の中にも、後期モーツァルトの持つ適度な引っ掛かりがあります。

「ナイチンゲールは美しく歌う」はワルツなのに旋律は全くのトルコ風です。歌う男性テノールも極めて田舎臭い感じで、曲と統一感が取れています。

ベートヴェンの「ドイツ舞曲」は田園交響曲的な世界です。軽快でとてもよい曲想です。
最後の「神祕主義と法悦」のカテゴリーに収められている曲は、流石に怪しげな雰囲気が漂っています。「メヴラーナ教団の旋回舞踊の儀式」の音楽なのだそうです。なんじゃらほ。開祖のルーミー(メヴラーナ)っていう人は名前だけは聞いたことが有りますが、いづれ勉強する機会もあるかもしれません。内省的ですが、異文化の香りを強烈に放っています。
やや胡散臭い感じのアルバムタイトルですが、牧歌的・イスラーム的な楽しい曲集です。ブックレットの裏の写真のエールハルト(多分)がとてもにこやかに指揮をしていることが、内容を物語っています。
素朴な民族音楽風の世界が繰り広げられる。そしてその奥には発展・混交し続ける、ダイナミックな文化の脈動が有る。楽しさと共にそんなことが見えてくるCDです。

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