デュリュフレ Sacred Choral Works・Organ Works1&2

#その他音楽

デュリュフレのレクイエムについて宇野功芳先生は「現代のさびが効いている」と批評されていましたが、それはこのCDに収められている全ての作品について言えることで、昔風の音楽がちょっと現代風味を加える事で、素晴らしく魅力的に響く事に驚きました。
全ての物語の原型は聖書だとか神話に有ると言います。それが正しいかどうかは不明ですけど、現代のベストセラーをラージスケールで見ると、昔の物語に似た様な構成で有ることが認められるという事は有ります。
ただ全くそのまんまという事は余り無く、やはりそこには現代において説得力を得るための工夫があります。デリュフレは所々に不協和音を効果的に挟んだりしていますが、それは現代の小説家の工夫に似た物であると言えましょう。
さびとして使われるのなら構わないのですが、私はあんまり不協和音系が好きじゃないんですよね。そりゃベルクの作品の中には良いものが有りますし、武満も面白い物が有ったりしますが、基本的に大楽必易(伊福部昭さんの好まれた言葉)だと思うんです。好みの問題では有りますが、現代音楽の作曲家の方々にはもっとメロディに回帰したものを作って貰いたい、と思っています。

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