サントリー美術館 NHK大河ドラマ特別展 天地人 直江兼続とその時代 第5展示期間

#その他芸術、アート

レッドクリフを観たら、自分が戦国時代に興味がある事を思い出して、行って参りました。
兼続の名前が出ていますけど、同時代の展覧会でもあります。

武具が意外なほど面白かったです。「色々威二枚胴具足」は秀吉が使っていたという鎧で、きれいな刺繍・紐に、急所を的確に守る軽量化の妙があって、実用を追求した美しさがありました。
それにしても鉄に溢れた展覧会で、これはやっぱり日本の大きな特徴ですよね。
拵も素晴らしく、漆が深い木工細工と、ぶっきらぼうな金具が戦国武将らしい雰囲気でした。

「紺平絹地小紋染胴服」は秀吉が片倉小十郎に贈った肉厚の小紋で、秀吉の人材ハンティングが偲ばれます(笑)結局近しい家臣に小十郎の様な人材がいなかったことが、豊臣政権にとって致命的だったような気もします。
「太閤分銅金」も造形が和菓子の域に達していて、お金ながら芸術的でした。

「伏見城跡出土金箔押瓦」は分厚い瓦など城の部品で、重厚さ派手さが素晴らしいです。時代の迫力を生々しく感じさせます。

「銅狛犬」は最上義光が晩年に奉納した狛犬。
長谷堂合戦は当時の戦いの中でも昔から一番位に好きな戦いで、戦国末期と言えそうな時代の爛熟したやり取りが見事です。娘を処刑された最上義光の怒りが合戦の背景にあるとも言われ、智将の姿が熱い(というのも良くないかもしれませんが)です。
土方歳三ですとか、情愛の深さと冷徹さを極度に併せ持った人間が、歴史にはたまに登場しますが、最上義光もその一人だったのだと思います。
大河でもここのくだりに来たら、観てみようかなぁ~。

能衣装もあって、秀吉は能が大好きだったそうです。足軽から身を起こして、出世すればこういう文化にも馴染んで、使いこなしてしまう所が流石です。

茶道具でよかったのは、「瀬戸黒茶碗 銘 礎石 美濃窯」。真っ黒な中に無造作に開いた口が、丁度いい感じの歪み。
「黄瀬戸立鼓花入  美濃窯」は能の鼓の様な形の花活けで、つるっとした中に、木質の様な生命感がありました。

直江版という兼続が出版していた日本で初の銅活字が出ていたり、直江兼続のこの時代での特殊性が良く分かる展覧会でした。
戦国、安土・桃山の雰囲気もまた同じ位感じられて、それも素晴らしかったです。空気感のある展覧会でした。ありがとうございました。

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