東京都美術館 トリノ・エジプト展 -イタリアが愛した美の遺産-

#その他芸術、アート

券を頂いたので、行って参りました。
所で、解説によれば、エジプトの人はエジプトを独立した宇宙だと思っていたようです。展示品を見ていても周囲の文明との没交渉的な感じはありましたし、謎が多いのもそのせいなのかも知れませんね。

エジプトの彫刻を観ていて思うのは、とにかく躍動感が無いことです。石で彫っているせいもあるのでしょうが、よく思い浮かぶような座っていたり立っていたりするものが多かったです(笑)インドのヨガが、ある意味まるで躍動感が無いのは、暑いからだと聞きましたので、同じ様な理由なのかもしれません。

動かない代わりに「プタハ神座像」ですとか、磨かれたなめらかさが素晴らしく、そういう人間らしい質感は極まっている所があります。
「イビの石製人型棺の蓋」ですとか、至る所に文字が書いてあるのも印象的で、聖刻文字の雰囲気も面白かったです。

「イシス女神とホルス神の小像」は女神が小神を膝に乗せた形の像。方解石という白い大理石の一種でできていて、この柔らかい白さで優しさを出そうとしたのだろう、と解説に書かれていました。だったら、中国の玉の彫り物と同じ発想ですねぇ。
中国と似た発想といえば「バー鳥の小像」というものがあって、頭についているバーというのは、霊魂の事なのだそうです。またカーという肉体と同じ形の魂があるらしく、二つが合わさるとアクというものになるのだそうです。このバーとカーはちょうど魂魄に対応しているように思います。・・・と思ったら関連項目としてWikipediaに書いてありましたね(^_^;)
吉村さんの本を読んだら、エジプトの独創的な思想と書かれていましたけど、やっぱり似てはいると思います(笑)
人の体は一つなのですから、まったく独立的に考えても、同じ考えに到達するのは、ある意味自然なのかもしれません。みょんな話ですg

最後の章はミイラ文化。そこまで興味は無いんですけど「子供のミイラ」とかを前にすると、体が自然にぴりぴりします。

ああいう要衝にありながら、ナスカ文明と同じ位の隔絶した印象を受けました。エジプト人はエジプト人に生まれ変わることを願った、そうで、あの世を含めても完結しています(笑)豊かで、凄く古い、独特な王朝があったものだなぁ、と異世界を見せてもらったような気分になりました。イタリアから色々運んで頂いてお疲れさまでした(笑)ありがとうございました。

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