私はこの曲が好きで、ワーグナーの楽曲中最も好きな位です。このクレンペラー版はウィーンでのVPOとのライブ版ですが、VPOの美しさがクレンペラーのスローテンポの指揮を得て、これ以上無いくらい情感豊でしかもしつこさがまるでない(おいしんぼじゃないですけど(笑))音を奏でていた・・・と思ったんですけど、いきなり中盤で加速して驚きました(笑)もしかして加速するのが普通なのかもしれませんけど、クナばっかり聴いているもんですから(笑)弦の音がはらはらっと消えていく辺りの抒情はウィーンフィルならではなのだと思います(笑)
併録のトリスタンとイゾルテ序曲も素晴らしいんですけど、どうもこういう官能的な曲は反対に苦手で、浸りきれないものを感じてしまいます。
最後には極大スケールのマイスタジンガー序曲が置かれていて、これでもかと言う位良く鳴っています。クレンペラーが指揮するときにオーケストラが異常なくらい献身的に演奏しているように感じることが有ります。多分クレンペラーは殆ど何もしていないんでしょうけど(笑)聽衆の拍手もほかの指揮者のCDよりなんとなく暖かく感じる様な気がします(笑)クレンペラーという指揮者は本当に好かれていたのではないでしょうか。数多の奇人伝説を残した彼ですが、だれそれを攻撃したと言っても、誰からも嫌われては居なかったのではないでしょうか。諦められていたのかもしれませんけど(笑)
演奏は本当にこれだけスケールの大きいマイスt(以下略)は殆ど無いと思います。クナなんかはスケールの大きいことで知られる指揮者ですけど、ライブなんかでは結構簡単に駆け抜けることがあります。まるで演奏の終わり(のその先)まで見通しているかの如くです(笑)脱線しましたけどそれにしてもオーケストラのデリケートでかつ迫力の有る様は尋常では有りません。ウィーンフィルの実力を端的に味わいたい人に最も推薦できるCDの内の一つではないでしょうか。いや、本当に楽しかったです(笑)
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